研究課題
最終年度は、以下の残された課題と新たに発生した課題に取り組むこととした:(1)硫酸塩鉱物の電解質溶液中でのAFM 溶解その場観察、(2)新手法である温度可変AFM法により温度条件を固定して過飽和度を変化させた場合の硫酸塩鉱物の結晶成長その場観察、(3)ネパール・古カトマンズ湖のラミナイト層の生成条件の推定のための花粉分析及び珪藻分析とその解析。これらの研究計画に対し、以下の成果が得られた。(1)に関しては、0.1M~0.001M NaCl溶液で溶解実験を行い、各溶液濃度条件におけるステップ後退速度、エッチピットの成長速度を決定したこと、溶液濃度0.01Mを境にステップの後退様式が変化すること、エッチピットの形態が溶液濃度0.1M~0.01M、0.005M、および0.001Mで変化すること、および今回の溶液濃度の範囲内でのステップ後退速度およびエッチピット成長速度の溶液濃度依存性を決定し、さらに、その温度依存性との比較を行い、溶液濃度の一桁増加が約8℃の温度上昇に匹敵すること、などの新しい知見を得た。(2)に関しては、室温(25℃)条件と15℃で実験を行い、各温度におけるステップの前進速度、2次元核およびスパイラル成長丘の成長速度を決定し、今回の温度条件でも各速度に十分な違いが見られることが解った。(3)に関しては、主に、湖沼珪藻を生息場から堆積場に至る環境復元ツールとして用いる珪藻解析を行い、古カトマンズ湖の環境および周辺の古気候変動の復元を試みた。また、その他の地域・環境、例えば、海底熱水環境や北大西洋海洋底堆積物などにおける鉱物の溶解・成長に関する自然界の類似現象についての研究も試みた。これらの結果の一部は、国内外の学会での発表や論文投稿により公表した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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