研究課題/領域番号 |
23340164
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
荒井 朋子 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 上席研究員 (10413923)
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研究分担者 |
大竹 真紀子 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (30373442)
三澤 啓司 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (70212230)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 月惑星起源・進化 / 月惑星探査 / 地殻・マントル物質 / リモートセンシング / 月 |
研究概要 |
昨年度、開発及び購入した可搬型可視近赤外二次元分光分析装置(Spectral Reflectance Imager:SRIM)及び可視近赤外拡散反射分光装置(東京大学理学系研究科及び国立天文台所掌)を用いて、月地殻由来の砂漠産月隕石試料(DaG 400, Dhofar 908, NWA 5000)及びアポロ15号及び16号の月地殻試料の分光分析を行った。また、かぐや月探査衛星の反射分光観測機器(マルチバンドイメージャ及びスペクトルプロファイラ)が観測した、月地殻岩盤が露出する地域(コペルニクスクレータ中央丘)の反射分光データの解析を行い、月試料の実 験室での二次元分光分析データと比較することにより、月地殻の起源と進化に係る新たな知見と仮説を論文にまとめ、国際学会(第44回月惑星科学会議@米国ヒューストン)にて発表を行った。 また、実験室内で月地殻岩石切断面のマルチバンド画像を取得するため、可視・短波長赤外域カメラを購入した。実験室において上記の2種の装置から得られる月地殻岩石のマルチバンド画像と連続スペクトルデータは、かぐや探査機のマルチバンドイメージャによるマルチバンド画像とスペクトルプロファイラで得られる連続スペクトルに基づく、より正確な月地殻の鉱物分布と鉱物組成決定に必要不可欠である。従って、H25年度は、上記の可視・短波長赤外域カメラにより、今年度分析した月地殻試料のマルチバンド画像を取得する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年11月から今年の1月末まで、隕石探査のため米国南極隕石探査隊に参加していたため、昨年度後半に予定していた研究計画が遂行できず遅れている。H25年度は計画の遅れを取り戻すべく、精力的に研究を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
かぐや探査機のマルチバンドイメージャによるマルチバンド画像とスペクトルプロファイラで得られる連続スペクトルに基づき、正確な月地殻の鉱物分布と鉱物組成を決定するためには、実験室内で月地殻岩石のマルチバンド画像と連続スペクトルデータを取得し、それらを標準データとして、かぐやデータ解析を行う必要がある。従って、H25年度は、H23年度購入した可視近赤外二次元分光分析装置(Spectral Reflectance Imager:SRIM)及びH24年度に購入した可視・短波長赤外域カメラにより、月地殻試料のマルチバンド画像及び連続スペクトルデータを取得する。それらの研究結果を踏まえ、月全球地殻の重要地点(斜長石とかんらん石が露出する初期地殻が保存される地点)について、鉱物存在度と組成を正確に決定し、月起源の重要制約である月マグマオーシャン組成と結晶化過程の推定を目指す。
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