研究概要 |
本研究の目的は、月隕石の鉱物分析と「かぐや」衛星の可視・近赤外域反射分光データ解析により、月地殻の鉱物分布・組成を調べ、マグマオーシャンから結晶化した地殻の鉱物組合せを明らかにし、マグマオーシャン組成(≈月バルク組成)に制約を与えることである。本年度は、(1)研究成果の論文作成と学会発表、(2)マルチバンドカメラ用フィルタの購入、(3)研究成果公開のためのホームページ作成、を行った。 (1)開発済みの可搬型可視近赤外二次元分光分析装置(Spectral Reflectance Imager:SRIM)を用いて分光分析を行った月地殻由来の月隕石試料(DaG 400, Dhofar 908, NWA 5000)の研究成果、及びかぐや月探査衛星の反射分光観測機器データを用いた月地殻岩盤が露出する地域(コペルニクスクレータ中央丘)の反射分光データ解析結果、及びそれらの統合成果に基づくマグマオーシャンへの制約条件について、論文成果をまとめ、現在論文を投稿中である。 (2)昨年度購入した、実験室内で月地殻岩石切断面のマルチバンド画像を行う可視・短波長赤外域カメラに装着するためのフィルタ(かぐやマルチバンドイメージャと同様の波長:415nm, 750nm, 900nm, 950nm, 1000nm, 1050nm, 1250nm, 1550nm)を購入した。フィルタとレンズの径が合わないため、アダプタホルダの作成も行った。(1)のSRIMとこのマルチバンドカメラにより、月探査衛星かぐやのスペクトルイメージャとマルチバンドイメージャと同様の測定を実験室で行うことが可能になる。現在、月地殻由来の月隕石について測定を進めている。 (3)本研究の成果公表のためホームページ作成を行った。http://www.tomoko-arai.com/JSPSkaken/index.html
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