研究課題/領域番号 |
23340166
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
田村 芳彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, チームリーダー (40293336)
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研究分担者 |
NICHOLS Alexande 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (00470120)
木村 純一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, チームリーダー (30241730)
石塚 治 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (90356444)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 初生マグマ / マントルウエッジ / 沈み込み帯 / 島弧マグマ / ダナイト |
研究概要 |
典型的海洋島弧の一つであるマリアナ弧の火山フロント(パガン火山)の海底山腹を海洋研究開発機構の無人探査機ハイパードルフィンで探査した。その結果、マントルで生成されてからほとんど分化していないマグマ(初生マグマ)を発見した。その成果をJournal of Petrologyに発表すると同時に、プレス発表を行った。初生マグマ発見はNHKニュースや西ノ島噴火に関する番組(ガリレオX)などに取り上げられた。またJSTのサイエンスニュース2013「地球の謎に挑む 初生マグマ採取に成功」としてYouTubeなどで公開されている。パガンにおいては、二つの異なる初生マグマがすぐ近傍に溶岩流として噴出していた。これらの二種の初生マグマを詳細に分析・解析することにより下記の新しい仮説を提出した(Tamura et al., 2014)。1 火山の下(およそ100キロ下)に沈み込んでいるプレートからの物質(水と堆積物メルト)が予想外の液体不混和現象をおこしている。つまり、従来水と考えられていたものは、単純な水ではなく、大量の水を含んだ炭酸塩メルトである。炭酸塩メルトとケイ酸塩(堆積物)メルトは混和しない。その結果、溶け合わない、水と堆積物メルトがそれぞれ別々にマントルの部分融解をひきおこし、その結果として二種の初生マグマの生成がおこった。この考えを「Mission Immiscible(ミッション・イミッシブル)」と名付けている。2 沈み込み帯のマントル(マントルウエッジ)の部分融解度は最大40%にも達し、その解け残りはほぼ橄欖石のみからなるダナイトである 。3 部分融解を起こしたマントルウエッジ内に金雲母が残留している。このことは沈み込み帯のマグマが大陸地殻生成に深く関与していること、および沈み込み帯における大陸地殻生成に関する新しい知見を与えるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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