研究課題
本年度は、昨年度までと同様に1.ダイヤモンド複合体アンビルの製作技術開発と2.落球マーカーの製作技術開発を重点的に行い、これらを使って3.純鉄および硫黄融体の高温高圧落球法実験を行った。1.ダイヤモンド複合体アンビルの製作技術開発:昨年度に引き続き14mm角立方体アンビル製作のための焼結体の合成条件を検討し、組織および機械的性質の評価を行った。この結果、原料となるダイヤモンド粉末においては、単一粒径を使用する場合は9μm、複数の粒径(6.5、9, 13、29μm)を混合使用する場合は1:1:1:3の割合で焼結したものが、抗折強度、圧縮破壊強度において最も高くなることがわかった。2.落球マーカーの製作技術開発:金属製落球マーカーと融体試料との反応を防ぐため、アルミナスパッタリングによる落球マーカーのコーティング法を検討した。この結果、これまで問題となっていたコーティング面の亀裂は解消され、2μm厚のアルミナを完全絶縁コーティングした落球マーカーを製作することに成功した。3.純鉄および硫黄融体の高温高圧落球法実験:SPring-8のBL04B1ビームラインにおいて、1のダイヤモンド複合体アンビルと2の落球マーカーを使って、純鉄および硫黄融体の高温高圧落球法実験を行った。純鉄についてはこれまで達成できなかった融点近傍の5 GPa、1800℃まで安定に加圧・加熱することができるようになったが、それより高い温度条件になるとブローアウトが発生し、落球法実験を成功させることができなかった。一方、硫黄融体については14.7 GPaまでの落球法実験に成功した。一連の実験から、硫黄融体の密度は加圧とともに滑らかに増加するが、粘性においては9 GPa付近で急激に変化することがわかった。同時に行ったX線回折測定から、この圧力領域で硫黄融体中の重合構造に何らかの変化が生じていると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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