太陽系の形成は、水素とヘリウムを主成分として微量の重元素や塵からなる原始太陽系星雲中で、固体粒子の合体成長を経て微惑星や惑星へと進んだ。多量にあった星雲ガスが惑星形成領域から散逸して太陽系の晴れ上がりが起こった時期を、角礫岩質隕石を対象とした希ガス同位体分析と、中性子照射した試料を用いたI-Xe年代測定で解明することを目的とした。 強い衝撃を受けた形跡のある隕石を分析した結果、この衝撃が太陽系形成時より数億年以上後に起こったもので、初期の情報の大部分が消去されていることがわかった。この結果は、それまでに我々が得た結果と矛盾するものではなく、条件の適した隕石の選択が重要であることを示している。
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