研究課題
今年度は昨年度に引き続き,ダイヤモンドの硬さを利用したインプリント低減に関する実験的研究を行った.昨年度まで得られている結果を基に,レーザー照射初期にターゲット表面に現われると予想される擾乱の形状変化を観測した.これまでの研究では,ダイヤモンドの初期擾乱が正弦波状からずれた形状になることがわかっていたが,その解釈が明らかでは無かった.今年度はその原因を明らかにするため,照射面に薄いCuのコーティングを施し,レーザー照射時のプラズマによる先行加熱を抑えることにより,融解効果の有無を検証した.実験結果より,Cuコーティング有の場合は正弦波状の擾乱が観測された.これにより,ダイヤモンドに発生する擾乱の形状は,局所的な融解に起因する可能性が強いことがわかった.また,インプリント擾乱の正確な定量化も可能となり,ポリスチレンなどの材料と比較して同条件で約20%まで抑制されることが明らかになった.また,地球核物質を想定した音速計測も引き続き実施した.本年度は鉄化合物を中心にデータ取得を行い,ケイ素およびニッケルを含有比を変えながら音速と圧力の関係を実験的に得た.これまで低圧側での固体データなどが存在したが,これらと矛盾しないデータが得られた.すなわちニッケルは音速を下げる効果,ケイ素は音速を上げる効果があり,音速と圧力の関係よりその含有率によって音速が線形的に変化することを示唆する結果となった.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Earth and Planetary Science Letters
巻: 392 ページ: 80-85
10.1016/j.epsl.2014.02.019