研究課題
25年度は、レーザー装置の不具合の関係で、米国リバモア研との共同実験は実施できなかった。しかし、シミュレーション・コードの方で大きな進展があった。今までは実験に対応した金などのhigh-Z物質内での様電子の発生のシミュレーションが主であったが、真空中での量子電磁力学の効果をコードに取り込み、米国SLACで行われた電子ビームと超高強度レーザーとの相互作用による様電子の生成について、実験の説明をする事に成功。また、真空中での荷電粒子の輻射減衰に伴うγ線とレーザー光子とのBreit-Wheleer processによる様電子の連鎖的生成が怒る条件を明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
実験の方はトラブルなどで、当初予定していた回数はこなしていないが、物理統合型のシミュレーション・コードの開発が予定以上に進展している。
26年度で本事業は終了である。陽電子生成に関する実験については、阪大での実験を可能な限り実施。その成果を、現在、米国リバモア研で制作中のNIF-ARCというさらにエネルギーが大きなレーザーでの実験につなげる。シミュレーション・コードで、超強強レーザーによる対生成シナリオの包括的な最適化を試みる。そして、同時に発生するγ線を利用した医療用の放射性元素製造などへの可能性も探る。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
JPS Conf. Proc. 1, 015088 (2014)
巻: 1 ページ: 9 pages
10.7566/JPSCP.1.015088
Physical Review A 87 (4), 042106
巻: 87 ページ: 8 pages
10.1103/PhysRevA.87.042106
New Journal of Physics
巻: 15 ページ: 065010
10.1088/1367-2630/15/6/065010