プラズマの周辺揺動を観測するためのVUVカメラの撮像用ミラーの大型化を行い、大型ヘリカル装置の高い周波数(f<5kHz)の揺動が計測可能になった。同時に短焦点化によりより広い視野での観測が可能になったため、広いパラメータレンジで揺動測定が可能となった。以下に示す3つの現象の発見・研究を行った。 (1)プラズマの温度の低い外寄せ配位でプラズマのコア部に局在するポロイダルモード数m=2の低周波MHD揺動を見出した。外寄せ配位ではq=2に相当する有理面は存在せず、有理面が無くとも、回転変換の値が有理数に近く磁気シアの弱い場合に励起されるインファーナルモードの観測であると考えられる。2次元計測からインファーナルモードの径方向の固有関数を明確に測定することができた。 (2)大型ヘリカル装置の外寄せ配位においては、プラズマの周辺部の輸送が改善した場合に明確に揺動が抑制され、プラズマの圧力勾配が急峻化したのちに、大規模な崩壊現象が発現する。この大規模な崩壊現象がどのような空間構造を持っているかを測定した。これもポロイダルモード数m=2の変形からプラズマ周辺部が崩壊することを見出した。この時同時に行われた可視光による観測によれば、m=2の変形から磁力線にブロブ的構造が広がることが確かめられた。これは本研究の主目的である2層同時のイメージング計測が機能した結果となる。また、m/n=2/2のモードは、最外殻磁気面の外側の磁気ストキャスティック領域での励起であることは確実であり、磁場が完全に閉じていない領域でもMHD揺動が発現し崩壊現象につながることが明らかになった。 (3)電子サイクロトロン加熱のモジュレーションにより熱パルスを作った場合に、炭素の不純物放射に熱パルスと逆位相の振動が観測されることが明らかになった。これにより熱パルスの2次元的な構造を計測する可能性を示すことができた。
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