前年度までに,一般的な結合クラスター理論の稼働方程式を生成するプログラム開発が終了している。又,多参照結合クラスター理論については,自動生成を用いないMukherjee型のコードをF12理論に拡張し,そのテスト計算が完了している。更に,直接摂動論に基づく四成分相対論でのF12理論を定式化と二次摂動理論の範囲での実装が行われている。 以上を基にH24年度は,応用計算に絶える高効率の計算コード生成を行った。既にストリングスによる高次の電子結合クラスター法の実装方法はハンガリーのKallayらによって提案されているが,指数を動的に並び替えることによってメモリーアクセスと演算量の減少を図り,さらに効率的な実装を検討した。又,大規模高精度計算を実現するためには,部分的に分子軌道に積分変換せず原子軌道積分のまま計算を行う方が高い計算効率が得られるので,原子軌道積分表示の実装の検討を行った。
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