研究課題/領域番号 |
23350018
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 直 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70311769)
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研究分担者 |
楊 成 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70456995)
福原 学 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30505996)
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キーワード | 励起波長効果 / エキシプレックス / 励起CT錯体 / 分子内CT相互作用 / 温度効果 / エントロピー・エンタルピー / 蛍光スペクトル |
研究概要 |
これまでの研究において、基底状態の電荷移動(CT)相互作用に着目し、2種類の分子間[2+2]環化付加反応における励起波長効果とその温度効果を検討したところ、CT錯体の励起において通常のエキシプレックスとは異なる励起種が生成することが明らかとなった。しかしながらそのメカニズムの詳細は明らかとなっておらず、合成反応への応用は達成できていない。このような問題点を解決するために、本年度はドナー部位としてナフチル基を有する分子内CT反応系(4-ナフチル-1-ブデン誘導体)を新たに構築し、その分光学的検討、並びに光反応を検討した。まず、基底状態において比較的強い分子内CT相互作用がみられることが確認された。光反応生成物や基質は未知化合物であるため、まずこれらの生成物の単離・同定を行った。ナフチル基の導入により蛍光スペクトルを用いた励起状態の検証が可能となった。具体的な結果としては、蛍光スペクトルのストークスシフトが溶媒極性に極めて鋭敏であることが明らかとなり、本系の中間体として生じる励起種がかなり分極した化学種であることが初めて明らかとなった(この点に関してはさらに詳細に検討を進めることで具体的な分極率を算出する予定である)。非極性溶媒中では、エキシプレックス発光に加えてナフタレン部位の局所的な発光も見られることが明らかとなり、後述の光反応と対応する結果となった。光反応において、極性溶媒においてはいずれの励起波長を用いても環化生成物を選択的に与える結果となったが、非極性溶媒中では、環化生成物に加えて転位生成物も得られた。いずれの場合でも、生成物比はこれまで報告している4-フェニル-1-ブテン誘導体での結果に比較してかなり高い値となった。反応の詳細を温度効果・励起波長効果などに着目し、次年度以降さらに検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の本年度の当初計画、およびその規模が妥当であり、また特段の問題もなく順調に進んでいる。今後もこのペースで予定通り検討を進める。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進展しているため、来年度も当初研究計画通り研究を進める。現時点では変更点や問題点は特に見当たらない。また、新年度にならないと確定しない部分もあるが研究のさらなる推進のため、可能であれば新らたに配属される学生(4年生)を1名追加で研究の一部を分担、担当してもらうこととし、効率アップを図りたいと考えている。
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