研究課題
1、デンドリマー集積と高次構造解明 高効率、高汎用性の化学反応(銅触媒を用いる末端アセチレン基とアジド基の環化付加反応:CuAAC 反応)を利用してデンドリマーを集積するため、簡便な末端官能基変換と CuAAC 反応をくり返して行う独創的な分子集積法を開発した。この方法を用いてデンドリマー八量体の構築を達成し、本集積法の有効性を実証した。八量体は、分子量約三万、伸長時の大きさが全長 50 nm、幅 4 nm 、高さ 4 nm の巨大分子であり、単一分子量を持つデンドリマー集積体としてはこれまで合成された分子の中で最大の化合物である。さらに、各種スペクトル測定を行い、デンドリマー集積体が室温溶液中で折りたたみ構造を有していることを明らかにした。また、温度上昇に伴って高次構造が折りたたみ型から伸長型に変化することを明らかにした。デンドリマー型分岐鎖を持つ分子が固体状態で自己組織化する例は多数報告されているが、溶液中で安定な折りたたみ構造をとるデンドリマー集積体は申請者の知る限り存在しない。タンパク質のように溶液中でコンパクトな折りたたみ構造をとる分子は、生体類似の機能を持つ分子の構築へと応用できる。2、ポルフィリンデンドリマーの集積 デンドリマー集積体の特徴的な高次構造変化を利用して分子の機能を制御することを目的に、ポルフィリンデンドリマー集積体 D(TPP)-D(DEP)-D(TPP) を設計、合成した。先述したCuAAC 反応を用いる分子集積法を応用して、分子の合成を達成した。この集積体は、光学特性の異なる二種類のポルフィリン部( DEP、TPP )を有している。ポルフィリン部位間の距離はデンドリマー集積体の高次構造変化に伴って大きく変化する。そのため、TPP 部から DEP 部への励起エネルギー移動効率が劇的に変化することが期待できる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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