研究課題/領域番号 |
23350033
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
梅林 泰宏 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90311836)
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研究分担者 |
亀田 恭男 山形大学, 理学部, 教授 (60202024)
金久保 光央 独立行政法人産業技術総合研究所, コンパクト化学システム研究センター, 主任研究員 (70286764)
神崎 亮 鹿児島大学, 理工学研究科, 准教授 (50363320)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | イオン液体 / 溶媒和 |
研究概要 |
溶媒和は、分離・精製の素反応であり分析化学の主たる課題の一である。イオン液体は、従来溶媒にない特異的な液体・溶媒和構造を示し、反応溶媒や電解質、分離・精製場として期待されている。本研究は、申請者らが独自に開発した分子シミュレーション支援液体構造解析法によるイオン液体による溶媒和構造解析に加え、分子シミュレーションに基づく溶媒和エネルギー評価により、イオン液体に溶解したCO2に焦点を絞り、構造とエネルギーの両面からイオン液体に特異的な溶媒和を原子・分子レベルで明らかにし、イオン液体の特異的な溶媒和を解明することを目的とする。具体的には、以下の研究を進める。 (1) イオン液体中のCO2溶媒和構造と溶媒和自由エネルギー評価 (2) イオン液体中のCO2のプロトン付加反応の構造と熱力学 (3) イオン液体中のCO2の電気化学的還元の分子論 (1)については、1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムを陽イオン、TFSA(ビス-(トリフルオロメタンスルホニル)アミド)を陰イオンとするイオン液体について、高エネルギーX線回折(HEXRD)実験を行い、MDシミュレーションにより解析し原子レベルのCO2溶媒和構造を明らかにした。さらに溶媒和エネルギー解析を行い、引力領域の分布が陰イオンに大きく依存し構造からの描像と一致した。斥力領域では概ね一致しており排除体積効果の点で陰イオンに差がないことが見出された。(2)および(3)に関して、予備実験を完了し、概ね良好な結果を得た。今後、詳細な実験および解析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イオンに吸収されたCO2の溶媒和構造について、最も典型的な1-アルキルー3-メチルイミダゾリウム系イオン液体のアルキル鎖依存性、陰イオン依存性の良好なデータが得られたことに加え、と溶媒和自由エネルギー計算も成功し、原子・分子レベルでCO2九州特性を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
イオン液体陽イオンは、イミダゾリウム系が最もよく知られているものの、陰イオン がTFSAであれば、多様な骨格構造を持つ陽イオンが知られており、陽イオン骨格構造を変えることで、その溶媒和も大きく変化する。今後は、イミダゾリウム系以外の用意音からなるイオン液体に研究を進める。
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