α位に電子求引基を有するイミン誘導体の極性転換共役付加反応を含む異常付加を基盤としたタンデム反応等の各種多段階反応の探索と、ファインケミカルズの効率的合成への展開を行った。特にβ,γ-不飽和-α-イミノエステルに対し、極性転換共役付加反応および生成するジエノラートの反応を完全な位置選択性で進行させることができた。さらに、α位に電子求引基を有するα-アシロキシイミノエステルに対し、窒素原子上でのSN2型の求核置換反応を活用して窒素原子に二つの異なる置換基を導入し、イミニウム塩に変換した後に第三の求核剤と反応させ、一挙に三種類の置換基の導入が可能であることを明らかにした。
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