研究課題/領域番号 |
23350044
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
徳永 信 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40301767)
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研究分担者 |
浜崎 昭行 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00515174)
石田 玉青 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90444942)
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キーワード | コバルト / 活性種 / 金 / フィッシャートロプシュ反応 |
研究概要 |
本研究では「担体酸化物から発生する0価安定活性種による新触媒機能」という研究を展開している特にこのなかで、酸化コバルトから発生する0価コバルト活性種によるフィッシャートロプシュ反応において、当初の予想外の興味深い知見が得られ、この理由を探るため各種の手法で触媒のキャラクタリゼーションや機構研究を行う必要が生じた。より具体的には、フィッシャートロプシュ反応では、副生するアルコールは炭素鎖も短く少量であったのが、今回、触媒調製の際の塩基を取り除かない場合に、最高44%という極めて多量の高級アルコールが生成することがわかった。高級アルコールの主な生産法は、生物資源由来であるが、同じ生物資源でもバイオマスや石炭から得られる合成ガス(一酸化炭素と水素)から直接得ることができるという点で大変注目すべき結果である。そこで我々は塩基と触媒の状態の関係を、調べることに研究を展開することにした。これまでに、X線光電子分光、X線吸収微細構造、粉末X線回析、蛍光X線、二酸化炭素昇温脱離法、透過型電子顕微鏡などでの検討を行った。 特異的な生成物分布を得る研究において、高級アルコール合成とその機構研究、触媒キャラクタリゼーション研究を行った結果、特異的分布とアルコール生成は機構的に関係があることが示唆された。具体的には、金の存在下、または非存在下で発生する0価コバルト活性種と2価コバルト活性種の割合、塩基の量、水の量などが影響することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
0価およびコバルト、2価コバルト活性種の割合、塩基の量、水の量などがどのように生成物分布に影響するかを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、さらに有用なフィッシャートロプシュ反応の開発を目指してコバルト活性種の最適化を行う。
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