• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

繰り返し自己生産するベシクル型人工細胞の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23350060
研究機関神奈川大学

研究代表者

菅原 正  神奈川大学, 理学部, 教授 (50124219)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワードベシクル型人工細胞 / アニオン性膜分子 / 膜表面電荷 / 枯渇問題 / ベシクル融合 / ベシクル輸送系 / 回帰性 / 繰り返し自己生産
研究概要

1.DNA-カチオン性ベシクル複合体の表面電荷計測
人工細胞内でのDNA複製とベシクル自己生産の連携には、増幅したDNA(ポリアニオン)とカチオン性ベシクル膜との複合体形成が不可欠である。本実験では、双性イオン型リン脂質POPCにカチオン性両親媒性分子であるCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)を10 mol%添加して調製したカチオン性ジャイアントベシクルに、鮭精子由来のDNAを外水相より添加しつつ、ベシクル膜のゼータ電位を測定した。電位が+60 mVから-50 mVへと変化したことは、上記の機構を実証するものである。
2.双性イオン型両親媒性分子からなるベシクルの表面電荷
カルボキシレートとイミダゾリウム基からなる親水部と2本の疎水部とをもつ双性イオン型両親媒性分子から構築されたジャイアントベシクルの膜電位を、塩化ナトリウム水溶液中(10 mM)で測定した。酸性側では、ゼータ電位は正の値(40 mV)を示すが、pKa = 3.6より高いアルカリ側では、膜分子は双性イオンとして存在しているにもかかわらず、電位は単調減少的に負の値をとり、pH = 9では-40 mVとなった。水酸化物イオン(OH-)がヘルムホルツ域に侵入し、イミダゾリウムの正電荷を遮蔽したと考察される。本結果は、このベシクルの膜の表面電荷が、pHにより制御できることを意味している。
3.回帰性のある自己生産ベシクル
自己生産ベシクルに、PCR、膜分子前駆体添加、基質の補給、PCR,膜分子前駆体添加を順次行い、情報分子を内封した孫ベシクルを誕生させた。さらに、このベシクルの自己生産過程には、細胞周期の相のように、外部からの刺激に選択的に応答し、そのステージ固有のダイナミクスを活性化させる4つのステージ(摂取、増幅、成熟、肥大・分裂)が存在することを見出した。今後の人工細胞の研究にとって重要な成果である。

現在までの達成度 (区分)
理由

25年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

25年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Chemical Control of the Monovalent-Divalent Electron-Transfer Phase Transition in Biferrocenium-TCNQ Salts2014

    • 著者名/発表者名
      T. Mochida, Y. Funasako, K. Takazawa, M. Takahashi, M. M. Matsushita, T. Sugawara
    • 雑誌名

      Chem Commun.

      巻: 50 ページ: 5473-5475

    • DOI

      10.1039/c4cc01296h

  • [雑誌論文] 分子システムとしてつくる人工細胞2014

    • 著者名/発表者名
      菅原正, 鈴木健太郎, 栗原謙輔, 豊田太郎
    • 雑誌名

      豊田研究報告

      巻: 67 ページ: 63-70

  • [雑誌論文] 自らが増殖する人工細胞の化学構築2014

    • 著者名/発表者名
      菅原正, 鈴木健太郎
    • 雑誌名

      高分子

      巻: 6 月号, No.6 ページ: 382-384

  • [雑誌論文] Spontaneous transformation from micelles to vesicles associated with sequential conversions of comprising amphiphiles within assemblies2014

    • 著者名/発表者名
      K. Takakura, T. Yamamoto, K. Kurihara, T. Toyota, K. Ohnuma and T. Sugawara
    • 雑誌名

      Chem. Commun.

      巻: 50 ページ: 2190-2192

    • DOI

      10.1039/C3CC47786J

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Macroscopic motion of supramolecular assemblies actuated by photoisomerization of azobenzene derivatives2013

    • 著者名/発表者名
      Y. Kageyama, N. Tanigake, Y. Kurokome, S. Iwaki, S. Takeda, K. Suzuki and T. Sugawara
    • 雑誌名

      Chem. Commun.

      巻: 49 ページ: 9386-9388

    • DOI

      10.1039/C3CC47786J

  • [学会発表] 外的刺激により繰り返し自己増殖するベシクル型人工細胞2013

    • 著者名/発表者名
      菅原 正
    • 学会等名
      第2回NINS Colloquium自然科学の将来像 セッション3 新物質と新機能-インテリジェントマテリアル-
    • 発表場所
      ヤマハリゾート「つま恋」
    • 年月日
      20131216-20131218
    • 招待講演
  • [学会発表] 分子システムとしての人工細胞2013

    • 著者名/発表者名
      菅原 正
    • 学会等名
      公益財団法人 豊田理化学研究所第13回 フェロー研究報告会
    • 発表場所
      豊田理化学研究所
    • 年月日
      20131211-20131211
    • 招待講演
  • [学会発表] Approach to Evolvable Protocell”2013

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Sugawara
    • 学会等名
      International Workshop “From Soft Matter to protocell”
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      20130918-20130920
    • 招待講演
  • [学会発表] Artificial Cell Viewed as a Molecular System2013

    • 著者名/発表者名
      Tadashi Sugawara
    • 学会等名
      Summer School 2013 ”Bioorganization"
    • 発表場所
      岡崎統合バイオサイエンスセンター
    • 年月日
      20130822-20130824
    • 招待講演
  • [学会発表] 分子システムとしてみた人工細胞2013

    • 著者名/発表者名
      菅原 正
    • 学会等名
      第4回 CIMoS(Research Center of Integrative Molecular Systems)セミナー
    • 発表場所
      分子科学研究所
    • 年月日
      20130722-20130722
    • 招待講演
  • [図書] 超分子の化学2014

    • 著者名/発表者名
      菅原 正, 木村 榮一
    • 総ページ数
      211
    • 出版者
      裳華房

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi