研究課題
1)CO2水素化反応の実用化に向けた基礎的な検討CO2水素化反応(CO2+3H2→CH4+H2O)の実用化に関し、容量にしてラボスケールの10倍である大型化多角バレルスパッタリング装置を用いてRu担持TiO2(Ru/TiO2)触媒の調製を検討した。まず、Ru担持量とターゲット角度の関係をラボスケールで検討した結果、ターゲット角度を0°から20°、45°に変えるとRu担持量は徐々に低下することがわかった。次に、大型化した装置を用いてRu/TiO2触媒の調製を試みた。試料は担体であるTiO2微粒子を6角バレルに25 g投入し、真空引き後、ターゲット角度を20°、直流電源出力を250 Wに設定し、バレルを±90°で振り子動作させながら、間欠でスパッタリングを4時間(全処理時間:12時間)行うことで調製した。その結果、Ruは3.1 wt.%担持され、担持されたRuナノ粒子のサイズはラボスケールで調製した試料と同等の3 nmであった。さらに、調製したRu/TiO2をSiC多孔体に固定化したRu/TiO2-SiC試料を用いて、大流量のCO2供給時のCO2水素化反応を評価した。得られた結果は、Ru/TiO2-SiCを用いることでラボベースの150倍以上のCO2供給でも反応温度の低温化が実現できることを明示し、本試料がCO2水素化反応の実用化に有用であることが明らかとなった。2)触媒調製時の収率向上に関する検討CO2水素化反応が実用化された際の触媒の収率向上を目指し、ターゲット電極を挿入するために解放されていたバレル側面の一方を塞ぎ、他方にスプリングで押し付けられる飛散板を設置した。その結果、50%程度であった収率は90%以上に増加できた。また、本検討では試料の連続調製を目的として、微粒子を予備排気できる装備を設置するともに真空でも微粒子材料を導入できる新たな機構も考案した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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