収縮、発生、分化、増殖、分泌、記憶などに関係する生物細胞の各種機能を制御する活性物質を光照射により瞬時に放出するための分子であるケージド化合物の高性能化の一環として、生理活性物質であるグルタミン酸や酢酸を光反応により放出するケージド化合物の高性能化をめざして研究を行った。各種の色素や芳香族系を光吸収部位に用いて、それらの部位とピリジニウム部位をメチレン鎖で連結し、さらにピリジンニウム部位にグルタミン酸や酢酸を置換した化合物を合成した。その結果、光照射により電子移動を経由して酢酸の放出が起こることを確認した。しかもその量子収率は、犠牲ドナーの存在で極めて高い値を達成した。
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