研究課題/領域番号 |
23350078
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
森 俊明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (50262308)
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研究分担者 |
高橋 俊太郎 甲南大学, 付置研究所, 講師 (40456257)
古澤 宏幸 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (60345395)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 糖鎖伸長反応 / 糖転移酵素 / 一分子計測 / 高速AFM |
研究概要 |
1分子力学計測法による糖鎖伸長反応を利用して膜タンパク質酵素の反応を1分子レベルで追跡することを目的として、相互作用や酵素反応などの糖鎖機能解析をごく微量のピコグラムレベルで検出する技術を創出し、解析技術開発を目指した。 24年度は昨年度までに確立した力学計測法の妥当性を検討するために、1分子レベルで画像解析をするよう高速AFMによる計測法の開発を目指した。 具体的には細胞表層で働く酵素としてその可溶性成分が調製可能なコンドロイチン合成酵素について検討を行った。また、当該酵素は一つの酵素に2つの反応活性部位を持ち合わせ、互いに異なる反応を連続的に触媒して、交互共重合体を生成することが、共同研究者らの結晶構造解析により明らかになっっているが、本手法による反応機構のさらなる解明が可能になる。すなわち、糖鎖固定系と酵素固定化系での反応を追跡比較することにより、詳細が明らかになる。コンドロイチンオリゴマーを加えることで、酵素とオリゴマーの結合を観察した後に、モノマー分子を添加することで反応開始を観察したところ、結合挙動は観察できたが伸長反応を観察することはできなかった。しかしながら、微生物由来ヒアルロン酸合成酵素を分子分散状態で固定化したマイカ基板上に基質を添加するとヒアルロン酸が1分子レベルで伸長する様子が10秒の時間分解能にて追跡できることを見いだした。しかもその反応速度には多分散性のあることが初めて明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一分子計測の観察は達成できたものの力学的計測における解析手法の開発についてはまだ十分に目的を達成していないところがみられる。 最終年度にはその部分を集中的に検討することで問題点を打開する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
力学計測法における。特にマッピング手法の開発には精度が低いことを改善して、本研究手法でないと解析できないと想定される例について重点的に検討を加える。
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