近赤外領域(700 nm以上)に吸収を持つ化合物は太陽エネルギーの捕集、癌の光化学治療等に有効に使える可能性がある。我々の研究ではポルフィリン、フタロシアニン、BODIPYと呼ばれる化合物でこの領域に吸収、蛍光を示す化合物をデザインし証明した。ピロールを環状に8-10量体化させると、最長波長帯は1400-1600 nmに現れた。フタロシアニンの周辺置換基として硫黄、セレン、テルル、中心元素として燐、ヒ素、アンチモンを導入すると主吸収が1000nm以上に延び、癌治療に有効な蛍光を1100nm以上に示した。BODIPYを2量化し、吸収波長を近赤外に持ってくると共に、強い蛍光を発せる事に成功した。
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