第3級水酸基をもち、分子内水素結合を形成するジアリールエテン誘導体を合成したところ、ヘキサン中において環化の量子収率は0.85、ジアステレオ選択性は>99.5:<0.5となり、量子収率が大きく、単一のジアステレオマーが生成する系を構築することができた。 また、ヒト血清アルブミンをテンプレートとし、ヒドロキシメチル基を有するジアリールエテンを取り込ませて緩衝液中で紫外光照射を行ったところ、インキュベーション温度を-4℃にすると71% eeのエナンチオ選択性で光環化反応を起こした。これにより、分子外の不斉をフォトクロミック分子に転写して、オンデマンドで不斉を発現・消滅させられる系を創出した。
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