無機蛍光体の発光効率を支配している無輻射損失機構を明らかにするために,光伝導度測定を行い,固体電子構造の全貌の系統的理解を得ることを目的とした.そのために,光励起伝導度の照射光波長依存性と温度依存性の自動測定システムを構築すると共に,4f-5d電子遷移を利用する新規蛍光体の光学特性と全電子構造の関係を明らかにした.光伝導度の温度依存性により,局在エネルギー準位であるCe3+の5d準位と非局在エネルギーバンドの伝導帯とのエネルギー的な相対関係を明らかにし,エネルギー準位図を作成した.また,そのエネルギー位置関係から,消光原因が5d励起電子の光イオン化過程にあることを明らかにした.
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