研究概要 |
本研究の目的は、二チタン酸マグネシウム(MgTi2O5) を中心とする擬ブルッカイト型構造を有する三次元ネットワーク型多孔体について、「MgTi2O5 多孔体の基礎物性評価」、 「MgTi2O5 を主成分とする擬ブルッカイト系の展開」、さらに、「信頼性・環境調和性・コストを含めた部材応用の高度化」の3つの項目について研究を実施し、低熱膨張・環境調和型セラミックス多孔体の応用を目指すものである。本研究での材料系はMgO、TiO2 など資源的・地政学的リスクが少なく、安全かつ比較的安価な材料を用いていることが特徴であり、資源に乏しいわが国にとっての意義は大きい。平成25年度の研究実績については以下のとおりである。 1.MgTi2O5多孔体のTi4+サイトをFe3+とM5+ (M=Nb, Ta)で複合置換することにより、 MgFeNbO5およびMgFeTaO5多孔体を作製し、機能性擬ブルッカイトの創製についての検討を進めた。(IOP Conf. Series: Mater. Sci. Eng., 54, 012011 (2014).) 2.擬ブルッカイト構造を有するAl2TiO5にMgOを添加することにより、Al2TiO5中にMgAl2O4スピネルが分散した複合材料を作製し、機械的特性の改善に成功した。(J. Ceram. Soc. Jpn., 121 [7] 568-571 (2013).) 3.擬ブルッカイト構造を有するAl2TiO5多孔体について、「造孔剤を用いた細孔径制御」を実施した(J. Ceram. Soc. Jpn., 121 [8] 730-733 (2013).)また、「その場合成」による浄水フィルター応用を進めた(J. Asian Ceram Soc., 1 [2] 178-183 (2013).)
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