研究課題/領域番号 |
23350101
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
馮 旗 香川大学, 工学部, 教授 (80274356)
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研究分担者 |
中西 俊介 香川大学, 工学部, 教授 (30155767)
石川 善恵 香川大学, 工学部, 准教授 (20509129)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 色素増感 / 太陽電 / 二酸化チタン / 結晶面制御 / ナノ粒子 |
研究概要 |
本研究は、独自開発した新規合成法で特定の結晶面を露出するTiO2ナノ粒子を合成し、特定の結晶面における色素吸着特性と色素増感太陽電池特性との関係を解明し、表面制御による太陽電池性能向上を目的とし、H24年度は以下の内容の研究を行った。 四チタン酸ナノシートからTiO2ナノ結晶の合成について検討した。四チタン酸を水酸化テトラメチルアモニウム溶液中で水熱処理した後、蒸留水中に分散し初めて剥離に成功した。剥離した四チタン酸ナノシートを水熱処理して様々な粒子形状のTiO2ナノ結晶を合成した。TiO2ナノ結晶のナノ構造解析の結果からロッド状ルチル型TiO2ナノ粒子、多角形ブルーカイト型TiO2ナノ粒子、 四角形、リーフ状、多角形アナターゼ型TiO2ナノ粒子は反応温度と溶液のpH制御によって合成した。リーフ状粒子は(010)結晶面を露出するが、四角形粒子は[11-1]方向に垂直する結晶面を露出することがわかった。[11-1]方向に垂直する結晶面を露出する四角形粒子と(010)結晶面を露出する四角形粒子について色素増感太陽電池を作製し、電池特性評価を行い、比較した。(010)結晶面を露出する四角形粒子は高い短絡電流を示したが、[11-1]方向に垂直する結晶面を露出する四角形粒子は高い開路電圧とフィルファクターを示した。この結果から太陽電池特性はTiO2の結晶面に強く影響されることを示唆した。 ダイナミック分光システムを用いて、新規合成したTiO2ナノ粒子およびTiO2-色素ナノ複合体の光学的解析を行った。蛍光寿命測定法でTiO2-色素ナノ複合体の光励起電子の寿命や色素-TiO2間の電子移動過程の測定から、色素増感光電反応における励起された色素からTiO2ナノ粒子への電子移動プロセスについての測定を行った。(010)結晶面を露出するTiO2ナノ粒子への電子移動が僅かに速い結果を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H24年度の研究目標である特定の結晶面TiO2ナノ粒子合成、色素太陽電池特性評価について、計画通り順調に達成した。結晶面の違いによる色素の吸着特性の違いや色素太陽電池特性性の違いがあることを確認できました。さらに結晶面のナノ構造解析ができるようになった。さらにTiO2-色素ナノ複合体の電子移動速度について蛍光寿命測定を行いTiO2-色素ナノ複合体の光励起電子の寿命や色素-TiO2間の電子移動過程の、TiO2の特定結晶面依存性の測定が可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度の研究結果を踏まえ、合成した各種特定結晶面を露出するTiO2ナノ結晶の色素吸着等温線を測定しLangmuir吸着式等から飽和吸着容量や吸着定数を求める。結晶面と色素の吸着挙動との関係を見出す。さらに合成した各種特定結晶面を露出するTiO2ナノ結晶を用いて色素増感太陽電池を作製し、太陽電池特性評価を行い、電池特性パラメーターを求め、測定した吸着パラメーターとの比較を行い、その相関関係を検証する。これらの結果から各結晶面の電池特性や色素増感太陽電池に最適な結晶面を特定する。特定結晶面が露出したTiO2ナノ結晶に吸着した色素の光励起電子寿命や蛍光寿命の測定を行い、その結果から特定結晶面が光励起電子移動に及ぼす効果を系統的に評価し,太陽電池特性評価の結果との相関を検討する。
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