研究課題/領域番号 |
23350104
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
目 義雄 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, ユニット長 (00354217)
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研究分担者 |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主幹研究員 (50267407)
奥山 秀男 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主席エンジニア (80354215)
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キーワード | セラミックス / 構造・機能材料 / 材料加工・処理 |
研究概要 |
MAX相という高温でも安定な層状化合物系を対象に、提案者らがプロセス開発を進めてきた強磁場中のコロイド成形、さらに通常の加熱法の他にパルス通電加熱、ミリ波焼結により、貝殻類似構造の配向積層体を創製し、強度、靭性といった相反する力学特性の優れた材料系を提示するとともに、さらには未開発の機能特性を探索し、新たな材料系を提示することを目的とした。 本研究で主対象とするMAX相は、Ti-Al(Si)-C系およびNb-Al-C系とした。粉末は、それぞれの素粉末反応法により粉末を作製し、ミリング処理により微粒化した。それぞれの粉末に対して、pHと表面電位、高分子添加量と粘性、表面電位の関係を水系、および水-50%エタノール系で検討し、その最適化を図り、高分散サスペンションを作製した。ここでは、特にポリエチレンイミン添加とpHの関係について詳細に検討した。作製したサスペンションを強磁場(12T)中スリップキャストするほか、強磁場中EPDも適用し、配向バルク体を作製した。配向度は、X線回折からLotgering法により評価した。Ti-Al(Si)-C系のEPDについては、Key Eng.Mater.に掲載された。 Nb4AlC3系に関しては、パルス通電加圧加熱法により緻密配向積層構造体を作製し、強度、靭性ともに優れた特性を示した。この成果は、Sci.Tech.Adv.Mater.に掲載された。今後は、強度と靱性の両立する機構を明らかにし、その一般化を図る予定である。別に、Ti-Al(Si)-C系対しては、板状粉末の作製に成功し、パルス通電加圧加熱法により配向体が作製できることを実証した。この成果は、セラミックス協会年会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Ti-Al(Si)-C系およびNb-Al-C系において、粉末の作製、分散サスペンションの作製、スリップキャストおよび電気泳動体制報による配向体の作製に成功するなど、おおむね当初の計画通り順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
加圧パルス通電焼結法による緻密焼結体の作製と並行して、Ti-Al(Si)-C系においては、常圧常圧加熱法による粉末の合成法をを検討し、常圧焼結による緻密焼結体の作製を試みる。強磁場中コロイド成形と配向焼結体の作製、および特性の面方向依存性を調べる。さらに、基板を変えたEPDによるMAX相コーティング膜の検討に着手する。
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