MAX相という高温でも安定な層状化合物系を対象に、提案者らがプロセス開発を進めてきた強磁場中のコロイド成形、さらに通常の加熱法の他にパルス通電加熱(SPS)、ミリ波焼結により、貝殻類似構造の配向積層体を創製し、強度、靭性といった相反する力学特性の優れた材料系を提示するとともに、さらには未開発の機能特性を探索し、新たな材料系を提示することを目的とした。 MAX相のうちTi3Si(Al)C2はもっとも多く研究されてきた系であり、昨年までに達成した易焼結性粉末による常圧焼結により作製した配向体およびSPSにより作製した配向体の特性評価を行い、3点曲げ強度および靱性とも従来の報告値を越える値を示すことを明らかにした。(J.Am. Ceram. Soc. 粉体工学会誌に掲載)また、ミリ波加熱による高純度粉末の合成および緻密化焼結体の作製(J. Am. Ceram. Soc. に印刷中)に成功した。さらに、ああまり研究が行われていない窒化物系MAX相のTi2AlNの粉末作製、磁場中成形による配向化、およびSPSによる配向緻密体の作製に成功し、無配向体に比べて配向体の強度、靱性が向上することを実証した。
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