ダイヤモンド状カーボン(DLC)の高性能濾過フィルターを開発した。プラズマCVD又はスパッタ法により成膜されたDLC膜は、多孔性アルミナや適切な高分子基材を選択することで、耐有機溶媒性のナノ濾過膜としての優れた性能を示した。有機溶媒は、DLC層の内部に形成された直径1 nm以下の細孔を高速で透過し、有機溶媒の粘度に反比例して流束が大きくなった。DLC層に窒素原子を導入すると、ナノ細孔の親水性が大きく向上した。また、適切な高分子基材の選択と蒸着条件を制御することで、0.8 nm以下のナノ細孔が形成され、アゾベンゼンの阻止率が100%、塩化ナトリウムの阻止率が約90%の優れたナノ濾過膜が得られた。
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