研究課題
液晶の配向制御に液晶性デンドリマー(LCD)を用いて、ポリイミド配向膜が不要の新しい液晶ディスプレイを提案している。これまでの結果より、ポリプロピレンイミンデンドリマー末端にアルキルスペーサーを介して液晶基としてペンチルシクロヘキシルフェニル基とジフルオロヘキシルオキシビフェニル基を導入したLCDが高い液晶配向制御性を示し、良好な液晶素子特性を示すことから、更なる性能向上を目的にこれら2種のLCDを混合した液晶素子の垂直配向性と電気光学特性について検討した。その結果、混合した系では各単体系に比べて応答速度が向上し、単体系とは異なる界面特性になっていることが示唆された。ガラス基板やITO基板など無機系の表面基板ではデンドリマーコアのアミノ基と基板表面のとの相互作用により吸着し、末端の液晶基が液晶の垂直配向を誘起することを明らかにしてきたが、プラスチック基板においても高い表面自由エネルギー(65mN/m以上)を有する基板上にLCDが吸着し、液晶の垂直配向を誘起することを見出した。シミュレーションからも基板界面に比較的大きな球状粒子が存在することにより、ネマチック液晶が垂直配向することが明らかとなった。更に、これまでは第二世代のデンドリマーを使用していたが、比較的安価で合成時間も短縮できる第一世代のデンドリマーを用いたLCDを合成し、垂直配向性と液晶素子特性について検討した結果、第一世代LCDでもネマチック液晶の垂直配向性を誘起し、第二世代LCDと同等の表示特性と液晶の等方相転移近傍までスイッチング可能な高い熱安定性を示し、液晶ディスプレイとしての実用性能を有することが確認できた。以上の結果より、本研究で提案しているデンドリマ-液晶添加セルは、用いるLCDの最適化により表示性能を調節でき、ポリイミド配向膜が無くても実用的な表示性能を示すことが実証された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Optical Materials Express
巻: 4 (5) ページ: 934-943
10.1364/OME.4.000934
Particle & Particle Systems Characterization
巻: 2013 ページ: 1-6
10.1002/ppsc.201300110
Applied Physics Express
巻: 2013 ページ: 061701-1 - 3
色材
巻: 86 ページ: 433-438
http://yone.yz.yamagata-u.ac.jp