研究課題/領域番号 |
23360006
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
工藤 一浩 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10195456)
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研究分担者 |
伊藤 公一 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90108225)
酒井 正俊 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60332219)
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キーワード | 電子デバイス・機器 / 有機半導体 / 電子・電気材料 / 電気機器工学 / 情報通信工学 |
研究概要 |
本研究では、縦型有機トランジスタおよび新型有機トランジスタの高速動作と低オン抵抗を実現し、印刷技術で柔軟性を有するプラスチック基板上に作製したアクティブアンテナの送受信特性の検証を行い、次世代フレキシブル情報処理デバイスの実現に向けた基礎研究を行った。本年度末までに以下の3項目について研究を進めた結果を示す。 1)高速有機トランジスタのに礎特性 塗布型ペンタセンを用いた段差構造縦型有機トランジスタ(SVC-OFET)において簡単プロセスで短チャネル化が可能となり、1MHz以上での高速動作素子が歩留まりよく作製可能であることを確認した。 2)アクティブアンテナの設計と基礎特性 アクティブアンテナとして、通常のループアンテナに段差型有機トランジスタ(SVC-OFET)を装荷することにより、SVC-OFETのON/OFFに対応した抵抗変化によるインダクタンス(L)、キャパシタンス(C)の変化によるアンテナ系の入出力特性を詳細に検討し、送受信特性に必要なアクティブアンテナの基本設計を進めた。また、数値シミュレーションによる素子の基本パラメーターの絞り込みを行い、ループアンテナにSVC-OFETを組み込んだアクティブアンテナとリーダーアンテナによる13/56MHz帯情報タグシステムを構築した。新規に構築した情報タグシステムにおいて、変調度3%以上の特性が得られた。 3)アクティブアンテナ材料と作製技術 シミュレーションによるアクティブアンテナの設計に基づき、有機スイッチングトランジスタを組み込んだアクティブアンテナ部分の作製技術を検討した。また、各種塗布型有機半導体の電極間での接触抵抗が低く、アンテナのインピーダンスへの影響が最小限となる塗布電極材料の検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1 MHz以上で動作する段差構造縦型有機トランジスタ作製の歩留まり向上と有機トランジスタとループアンテナを組み合わせた情報タグシステムにおいて、変調度3%以上を実証した。
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今後の研究の推進方策 |
アクティブアンテナの設計、段差構造縦型有機トランジスタの作製条件の最適化により、動作周波数の改善と変調度5%以上を目指す。
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