研究課題
本研究では、柔軟性を有するプラスチック基板上に情報通信用アンテナと縦型有機トランジスタを印刷技術で作製する技術を確立し、次世代フレキシブル情報処理デバイスの実現に向けた基礎研究を行った。本年度末までに以下の3項目について研究を進めた結果を示す。1)印刷法によるアクティブアンテナの作製技術の確立:情報タグとして応用するには簡単プロセスによる大量生産と低価格作製技術の開発が重要であるため、ナノインプリント法と塗布技術によるループアンテナとSVC-OFETの作製技術を検討した。塗布型ペンタセンを用いた段差構造縦型有機トランジスタ(SVC-OFET)において更なる短チャネル化と製膜条件の最適化により、2 MHz以上での高速動作素子が歩留まりよく作製可能であることを確認した。2)アクティブアンテナの設計と基礎特性:変調度の向上のため、昨年度よりアクティブアンテナのインダクタンス(L)を増加させたループアンテナを設計し、高周波帯域における基礎特性を評価した。また、段差型有機トランジスタ(SVC-OFET)を装荷することにより、SVC-OFETのON/OFFに対応した抵抗変化によるインダクタンス(L)、キャパシタンス(C)の変化によるアンテナ系の送受信特性に必要なアクティブアンテナの基本設計を進めた。また、数値シミュレーションによる素子の基本パラメーターの絞り込みを行い、ループアンテナにSVC-OFETを組み込んだアクティブアンテナとリーダーアンテナによる13.56MHz帯情報タグシステムにおいて、目標である変調度10%以上の特性が見込まれることが分かった。3)次世代フレキシブル情報処理デバイスへの応用可能性:開発した情報タグシステムの応用展開として、在宅医療用ウエアラブルセンサや生体装着型ワイアレス情報タグへの応用に向けた電磁波解析とモデル実験を進め、適用可能性を確認した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 3件) 備考 (1件)
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