研究課題
本研究の目的は,高電場印加下での強誘電体の格子歪みなどをその場観察し可視化するための実験要素技術の開発を行うことである.そのために,電場を印加することができ,温度変化させながら電場印加のタイミングに対して時分割X線回折実験を行うことのできるX線回折・誘電物性同時計測装置を製作する.H23年度に,印加電場および試料温度を精密に制御できる機能を備えたX線回折・誘電物性同時計測装置を広島大学に導入した.H24年度には,この装置の試料軸(θ軸)の駆動をパルスモーター化し,自動かつ精密に試料の方位を変更できるように改造し,大学の研究室で電場印加下の回折実験を行うための実験装置の高度化を完了させた.この装置による実験とSPring-8での実験を相補的に組み合わせて,BT単結晶の圧電振動中の格子歪みをμ秒オーダーで時分割計測することに成功した(Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 09NE05).その成果により,第34回(2012年度)応用物理学会論文賞優秀論文賞を受賞した.H25年度には,これらの成果をまとめた解説記事を出版した.また,国内外の学会や研究会で招待講演を行った.一方,新たに,圧電セラミックス試料の電場印加下の臨界挙動や強誘電体単結晶試料の高電場印可下での静的なマクロ歪みの起源を調べた.BT-BMT-BFセラミックスなどで観測される電場印加下での大きな外形変化の起源は,PZTセラミックスとは全く異なり,電場印加下での格子歪みの寄与が非常に大きいことを見出した.また,BTの配向セラミックスを作成し,電場誘起相転移を確認した.さらに,BNT-BT単結晶における電場印加下での大きなマクロ歪みの起源が可逆的な電場誘起相転移であることを明らかにした.圧電材料の歪み特性の設計に,電場誘起相転移の機構を利用できることを示唆した.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 17件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 4件)
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