研究課題
(1)高周波対応プローブを用いた磁気トンネル接合(MTJ)素子からのスピン注入発振の観測前年度までに調整を行なった磁気共鳴用高周波プローブを用いて、MTJ(磁気トンネル接合)積層薄膜を用い、スピン注入発振の実現に注力した。市販のMTJ素子を購入して、先ず、 MTJの磁気抵抗比を確認後(磁気抵抗比80パーセント)、スピン注入発振信号の検出に取り組んだ。この際のMTJ素子の磁性層はCo40Fe40B20のフリー層と固定層で形成される。用いられる磁気トンネル接合(MTJ)素子の基板は絶縁体領域を含むため、粗動機構によりMTJ 素子位置を確認するために試料の導電性に影響されない探針-試料間距離の制御機構を有する絶縁体表面を走査可能で10 ギガヘルツまでの高周波に対応した原子間力顕微鏡(AFM)システムを用いた。この際に、極細の高周波同軸線(外径0.33ミリメートル)をプローブ探針として水晶振動子に接着したマイクロ波源付水晶振動子型AFMを開発して用いた。AFMによる表面観測のパラーメータ調整を行い、先ず素子の電極位置にプローブを合わせて走査することを試みた。この結果、プローブの位置合わせに光学顕微鏡等を用いた補助機構が必要なことが判り対策を施した。その後、プローブからのスピン注入発振の検出に取り組んだがプローブと探針間の安定した電流を得るための調整が難しく、今後、表面の酸化による影響等を解決する必要を認識した。(2)超高真空中でのスピン注入発振観測電極の酸化を防ぐことが可能となる超高真空環境で上記のスピン注入が観測可能な高周波走査プローブ顕微鏡装置を整備した。超高真空環境内にマイクロ波を導入しスピン偏極探針を用いたスピン注入源を含む回路において高周波信号を計測できることを確認した。以上、プローブを用いたスピン注入発振現象を捉えるための改良を進めることができた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Applied Physics Letters
巻: Vol. 103 ページ: 052410 1-3
10.1063/1.4816737
巻: Vol. 103 ページ: 092404 1-4
10.1063/1.4819460
巻: 103 ページ: 182404 1-3
10.1063/1.4827808
巻: 103 ページ: 052404 1-4
10.1063/1.4817076