研究課題
本研究では、深紫外領域において表面プラズモンの励起法を開発するとともに、その励起特性を解明し、深紫外プラズモニクスの新しい応用分野を開拓することを目的として研究を行なった。深紫外領域で表面プラズモンを励起するための材料の検討、励起方法の最適化を行ない、金属表面からの光電子放出の増大、生物試料の自家蛍光の励起への応用展開を目指して研究を進めてきた。今年度は、表面プラズモンの電場増強効果を利用し、高効率で感度良く蛍光を励起し、生体試料のマルチカラーイメージングを実現した。表面プラズモンは、金属表面での電場の局在性と増強効果を利用することにより、センサー感度の向上、蛍光の高効率励起など様々な応用が提案されてきた。これまで表面プラズモンの励起には、近赤外から赤色光が多く用いられてきた。これは表面プラズモンに一般的に用いられる金や銀などの金属は、短波長側では良い特性を示さず、表面プラズモンが励起できないためである。深紫外領域における表面プラズモンはほとんど研究されてこなかった。昨年度までに、深紫外光で表面プラズモンを励起するための金属材料の探索を行ない、アルミニウムが良い特性を示すことを見出した。石英基板にアルミニウム薄膜を蒸着し、表面プラズモンが励起し、その電場増強効果を検証した。複数種類の量子ドットを混ぜあわせた試料を作製し、広帯域の発光領域をもつ蛍光試料が深紫外光で一度に励起可能であることを示した。波長域250nm程度の広帯域で5倍程度の発光増強が得られることを確認した。またHeLa細胞の核、ミトコンドリア、アクチンなどを多色染色し、深紫外光で一度に励起可能であることを示した。表面プラズモンの電場増強効果を利用することにより、蛍光強度が向上することを確認した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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