研究課題/領域番号 |
23360035
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中田 芳樹 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 准教授 (70291523)
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研究分担者 |
坪井 泰之 北海道大学, 理学研究科, 准教授 (00283698)
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キーワード | レーザープロセッシング / 応用光学・量子工学 / 誘導ラマン散乱 / ナノ材料 |
研究概要 |
(1)フェムト秒レーザー干渉加工装置の開発:フェムト秒レーザーを高効率DOE(Diffractive Optical Element)で4本の一次回折光に分割する。空間強度変調器(SLM)を導入し、強度変調及び位相変調を行う装置を構成した。二枚のアクロマティックレンズL1及びL2からなる縮小光学系によってビームを干渉させ、金属薄膜ターゲット表面で干渉加工をおこなった。 (2)ビーム品質の測定:オートコリレーターを導入し、パルス幅が約200fsで安定していることを確認した。また、ビームプロファイルの観察をビームプロファイラでおこなった。 (3)加工部位の断面測定・膜厚の精密測定:透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて加工部位と非加工部位の断面測定を行った。これにより初めてナノウィスカーの内部構造が明らかに成った。さらに、スパッタリングで薄膜を堆積する際の膜厚誤差を修正した。 (4)第2高調波(SHG)干渉加工装置の開発:フェムト秒レーザーと非線形結晶を組み合わせることでSHGを発生させ、基本波の場合と同様の干渉加工装置を構成し、加工テストを行った。これは、短波長光の高吸収率を利用した光利用効率の向上、及び周期構造の短周期化へ向けた予備実験のためにおこなった。SHG用の高効率DOEを導入し、回折効率の向上を図った。 (5)加工テスト:薄膜(t=5.10nm)をシリカガラス基板にスパッタリングで堆積し、4光束干渉加工を行うことでナノ周期構造を試作した。SHGを利用した加工では、基本波の場合と同様に周期ナノバンプ構造の形成に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた項目をほぼ達成した。さらに追加項目として、フェムト秒短波長化による短周期達成や、大面積化を達成するための光利用効率の向上を見据え、SHGを用いた干渉加工実験を追加した。震災の影響でSLMのテスト機レンタルと導入が若干遅れたが、現在はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに開発した超短パルスレーザー干渉加工装置を用い、1kHz繰り返し加工と2次元走査を組み合わせることで、SERS活性サイト(金属周期ナノ構造)が百万個以上、10mm^2に渡ってマトリクス状に均等配列した大面積構造を作製する。これを実際にSERS測定基板として用い、SERS信号を測定する。またFDTD解析を目指し、SERS活性サイトのCADモデルを作成する。これを用いて3次元電磁界シミュレーションを行い、電磁界分布を求める。
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