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2012 年度 実績報告書

やわらかさが瞬時に変化する高機能磁性ソフトマテリアルの創製と応用

研究課題

研究課題/領域番号 23360051
研究機関山形大学

研究代表者

三俣 哲  山形大学, 理工学研究科, 助教 (80322006)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2014-03-31
キーワード高分子磁性ゲル / 物性 / 磁場応答速度
研究概要

1.磁場応答時間を短くするための技術要素の検討応答時間が短くできれば高い周波数の振動にも対応できる。パルス的に応答するゲルの創製を試みた。
①応答時間に及ぼす因子の特定:磁性体の磁化速度はピコ秒オーダーと瞬時であるため、弾性率の応答速度はマトリクスの回転(移動)速度で決定されると考えられる。回転速度は磁性微粒子の磁化率、クラスターの形状因子、マトリクスの粘弾性に依存すると予想される。観察装置を用いて、これらの因子と応答時間の相関を明らかにした。②針状微粒子を用いた高速応答ゲルの創製:球状微粒子を用いた先行実験では、弾性率が徐々に数百ミリ秒かけて変化する。これは、接触状態が連続的に変化するためと考えられる。針状微粒子の接触は点接触に近いため、弾性率はパルス的に急激に変化すると予想される。一般に、ミクロンサイズの針状微粒子を高分子水溶液中に分散させてもクラスターを形成してしまい、その形状を活かすことができない。針状を保持する化学的条件、針状微粒子の粒子径などを最適化した。
2.耐久性を付与するための技術要素:磁性ゲルを利用したアクチュエータの耐久性は低く、伸縮するゲルの場合、8 時間後には変形量が40%まで低下する。ゲル中の水分蒸発が性能低下の原因である。
①水分の蒸発防止:ゲル表面を両親媒性の接着剤でコーティングし、耐久性試験を行った。②微粒子の劣化防止:高強度・高靭性セラミックス微粒子は高い力学強度を示す。コアに磁性体を含む特殊グレードのセラミックス微粒子を用いた。非球状の微粒子については材料探索を行った。③マトリクスの劣化防止:クラスター表面では、クラスターの移動や回転によりひずみがかかり、脆性破壊を引き起こすと考えられる。破壊応力の高いマトリクス、ひずみ軟化性のマトリクスを用いることで耐久性を向上させた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

機器の購入、学会での助言などが有意義であったため。

今後の研究の推進方策

高機能磁性ゲルへのチャレンジを行う。
弾性率の変化はゲルの端から端まで繋がったクラスターの接触状態の変化で生じる。無数に接触したこれらのクラスターのうち、いくつかが非磁性でも同様の現象が観察されると予想される。透明なビーズを使えば透明に近い磁性ゲルが、磁性微粒子の濃度を2vol%以下に抑えることができれば、意匠性に優れたカラー磁性ゲルが得られる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Magnetoelastic Behavior of Bimodal Magnetic Hydrogels Using Nonmagnetic Particles2013

    • 著者名/発表者名
      S.Ohori, K.Fujisawa, M.Kawai, T.Mitsumata
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 42 ページ: 50-51

    • DOI

      10.1246/cl.2013.50

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetism and viscoelasticity of magnetic elastomers2013

    • 著者名/発表者名
      Tetsu Mitsumata, Suguru Ohori, Atomu Honda and Mika Kawai
    • 雑誌名

      Soft Matter

      巻: 9, 904 ページ: 904-912

    • DOI

      10.1039/c2sm26717a

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Wide-range Modulation of Dynamic Modulus and Loss Tangent2013

    • 著者名/発表者名
      Naoya Chiba, Ken Yamamoto, Tsukasa Hojo, Mika Kawai, and Tetsu Mitsumata
    • 雑誌名

      Chemical Letters

      巻: 42 ページ: 253-254

    • DOI

      10.1246/cl.2013.253

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetically Tunable Elasticity for Magnetic Hydrogels Consisting of2012

    • 著者名/発表者名
      Tetsu Mitsumata, Atomu Honda, Hiroki Kanazawa, and Mika Kawai
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry B

      巻: 116 ページ: 12341-12348

    • DOI

      10.1021/jp3049372

    • 査読あり
  • [学会発表] 磁性ソフトマテリアルの可変弾性とその応用2012

    • 著者名/発表者名
      三俣哲
    • 学会等名
      応用物理学会・磁気科学研究会
    • 発表場所
      益川ホール(京都府)
    • 年月日
      20121120-20121120
  • [学会発表] ポリウレタン磁性エラストマーの可変粘弾性2012

    • 著者名/発表者名
      大堀優、川合巳佳、三俣哲
    • 学会等名
      日本MRS学術シンポジウム
    • 発表場所
      横浜ワールドポーターズ(神奈川県)
    • 年月日
      20120923-20120925
  • [学会発表] ポリウレタン磁性エラストマーの磁気応力に及ぼす厚さの影響2012

    • 著者名/発表者名
      金内駿太、大堀優、千葉直哉、川合巳佳、三俣哲
    • 学会等名
      日本MRS学術シンポジウム
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      20120923-20120925
  • [備考] 三俣研究室

    • URL

      http://polyweb.yz.yamagata-u.ac.jp/~mitsumata/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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