研究課題/領域番号 |
23360074
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中野 健 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (30292642)
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研究分担者 |
尾崎 伸吾 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (20408727)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 摩擦力 / 静摩擦 / 動摩擦 / 固着すべり遷移 / スティックスリップ |
研究概要 |
すべり摩擦システムにおける固着すべり遷移の「瞬間」を対象として、バルクとインターフェイスに生じる高速なダイナミクスをin-situ観察して、静摩擦力と動摩擦力の発生メカニズムと、摩擦力の制御手法に関する知見を得ることを目的とする。今年度は、平ベルトと円筒プーリの面接触を対象として、ベルト両側の張力計測とともに、接触面の高速度光弾性観察が可能な実験装置を設計・試作した。 本装置では、透明なPDMS製平ベルト(150 mm × 20 mm × 5 mm、ヤング率:1.3 MPa)とガラス製円筒プーリ(外径:60 mm、内径:57 mm、高さ40 mm)の面接触を利用した。ベルトの左端にロードセルA、右端にロードセルBを取り付けて、それぞれ支持台に固定した。支持台の位置を調整して、基礎に固定したプーリにベルトを押し当てて、巻付角と初期張力を設定した。左側支持台は不動のまま、直動ステージを用いて、右側支持台を接線方向に一定速度で駆動した。ロードセルによる張力の計測と同期して、高速度光弾性観察(最高撮影速度:1550 kfps)が可能なカメラと円偏光フィルタ内蔵の高輝度LED光源(波長:520 nm)を用いて、光学像と光弾性像を同時に獲得した。 これまでに、接触面の形状と面積の時間変化と、ベルトの内部応力の時間変化と、ベルト両側の張力の時間変化を、同時に計測するシステムを構築した。今後は、このすべり摩擦システムを対象として、固着すべり遷移の「瞬間」を実験的に追跡することにより、静摩擦力と動摩擦力に及ぼすバルクとインターフェイスのダイナミクスの影響を考察する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、接触面の形状と面積の時間変化と、ベルトの内部応力の時間変化と、ベルト両側の張力の時間変化を、同時に計測するシステムを構築した。おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、構築したすべり摩擦システムを対象として、固着すべり遷移の「瞬間」を実験的に追跡することにより、静摩擦力と動摩擦力に及ぼすバルクとインターフェイスのダイナミクスの影響を考察する。
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