研究課題/領域番号 |
23360089
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
染矢 聡 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (00357336)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 流体工学 / 可視化 / 計測工学 |
研究概要 |
本研究では燐光粒子の燐光寿命を利用し,1台のUVレーザーと高速度カメラで,共通の画像から任意の作動流体の温度と速度を二次元高精度同時計測する手法を確立する.燐光寿命に基づく温度測定では,粒子の移動を考慮し,これまでより適用可能範囲を広げる.加熱気体流の基礎実験に適用する.また,シミュレーション画像を利用して精度評価を行う.また,本研究では開発手法を,内燃機関シリンダ内の温度分布,速度分布の計測に適用し,燃焼効率向上やHCCI燃焼方式の高度化に寄与することも目的の一つとしている. これらの研究目的達成に向けて,平成24年度は可視化エンジン実験を行った.まず,燃焼条件を含む壁面温度分布計測を実施し,薄膜熱電対との比較により,適用可能性について検討するとともに,吸気圧等エンジン運転条件と壁面温度との関係を明らかにした.これにより蛍光体を筒内で利用可能であることも明らかとなったため,非燃焼時の筒内ガスの温度速度同時計測実験を行った.その結果,開発手法の適用可能性について,速度分布については通常のPIV同様の結果が得られること,温度分布についても定性的には筒内ガスの温度を反映していることがH24年度までにわかった. 900°Cまで昇温可能で光学計測に適用可能な高温加熱炉を作成し,低温から高温までの広範囲にわたり,燐光物質のスペクトルや寿命など光学特性と温度との関係を特性データベースにまとめた.光学物性情報取得の際には燐光物質を固定することが不可欠であるため,燐光物質の固着方法の影響についても明らかにした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的達成に向けて可視化エンジン試験を終えて成果発表を行った.また,低温から高温までの広範な温度条件におけるトレーサー物質の光学的特性を明らかにした.今後は,これまでに作成したプログラムを用いた精度評価を行う.また,地震でダメージを受けていた基礎実験用のハードウェアの再調整も完了したため,最終年度に循環気流を用いた基礎的な実験を行い,実験とシミュレーションの両面から適用可能範囲の明確化を進める.以上のように,全体的に順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は外部機関の協力が不可欠なエンジン試験を優先的に進めつつ,循環気流を用いた基礎実験装置や温度速度解析プログラムの高度化,シミュレーション画像とその評価プログラムの整備を完了した.基礎実験装置はこれまでの予備実験の結果,特に問題なく研究を進めることができる状況であり,平成25年度は基礎実験による精度及び適用可能範囲の明確化を含め,最終的なとりまとめを行う.なお,燐光のデータベース構築については引き続きこれを実施する.
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