研究課題/領域番号 |
23360097
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
宇高 義郎 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (50114856)
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研究分担者 |
松本 裕昭 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (10251753)
荒木 拓人 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (90378258)
大徳 忠史 秋田県立大学, システム科学技術学部, 助教 (40452049)
陳 志豪 横浜国立大学, 工学研究院, 研究教員 (60611275)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 燃料電池 / ガス拡散層 / 熱物質伝達 / 表面張力 / ぬれ性 / 拡散 / X線ラジオグラフィー |
研究概要 |
ぬれ性または空孔系の異なる微細多孔体を隣接分布配置させる液水移動制御可能なガス拡散層(GDL)の新規構造(Hybrid GDL)を提案し、Hybrid GDL利用の膜電極接合体構造を構築し、PEFCの高機能化・高出力密度化を目的として、本年度は以下の事項を実施した。 (1)電気化学反応を利用するガルバニ電池式酸素吸収体を組み込んだ微細多孔体の酸素拡散特性の測定装置において,微細多孔体に液水を含んだ状態の計測の可能な装置を作成しており、GDLの拡散抵抗が非常に小さく高精度化が難しく条件の厳しい乾燥状態のGDL単層で、有効酸素拡散係数を±20%の精度をもって計測できる手法の構築を昨年度に引き続き進め、さらなる測定における信頼性および精度向上を目指した結果、その条件を実現した。 (2) Hybrid微細多孔体について、高輝度放射光施設(SPring-8)の放射光によるX線ラジオグラフィーによるGDL内の高分解能測定を実現し、液水可視化と高精度酸素拡散係数測定の同時計測を実施した。その結果、撥水部から親水部への液水移動による液水分布状態が確認され、そのことにより液水含有率が高い場合でも酸素拡散パスが確保され、GDL内において酸素拡散が促進されることを明らかにした。今後さらに、種々の条件の下で同時測定を進めてゆく予定である。 (3) MPL付加する場合についても同様の検討を進め、MPLの存在による新Hybrid GDLへの液水分布と影響を明らかにするために、酸素拡散特性と液水可視化の同時計測による新Hybrid GDL単体にマイクロ多孔体層(MPL)を付加した場合の新Hybrid GDLの液水分布と酸素拡散の特性と機構解明するための試料の準備が完了しており、来年度にはMPL付きHybrid GDLの酸素拡散特性を、X線ラジオグラフィーとの同時計測により検討を進めてゆくことが可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載の年度研究実施計画を遂行することができている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の実施計画がほぼ順調に遂行されており、引き続き当初の計画を進めてゆく予定である。
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