研究課題/領域番号 |
23360100
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小宮山 正治 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40178372)
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研究分担者 |
武石 賢一郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70379113)
小田 豊 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50403150)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | 熱工学 / 希薄予混合火炎 / 旋回流 / PIV / 火炎伝播 / 歳差運動 |
研究概要 |
現在,環境適合・窒素酸化物低減の観点から希薄予混合火炎が工業用燃焼器に利用される場合が増加している.これは局所的高温領域の抑制が可能で,NOx低減効果が大きいためであるが,一方では伝播性のために逆火による燃焼器の損傷の危険性が生じ,安定した火炎状態を維持する燃焼法を確立することが重要となる.また,燃焼器管内では火炎安定化と空気・燃料流の混合促進のために旋回流をともなう.このことから,旋回流による渦崩壊や歳差運動が生じ,不安定な伝播挙動が火炎構造をより複雑にする.このため,管内旋回流下での予混合火炎の動的挙動を時系列レーザ応用画像計測から直接測定し,予混合火炎の管内伝播特性を解明することを本研究の目的とする.そこで,本年度はメタンを燃料とする希薄予混合火炎の非定常挙動を解析するために,高細度高速度ビデオカメラを用いて旋回流を伴う円筒管内を伝播する火炎面の形状,火炎先端付近の未燃焼ガスの流動,火炎面の挙動を時系列的に計測可能とし,その特性に関する考察を行った.旋回羽根には中心部を開放して,比較的に低旋回流場を形成した場合と従来の中心部を閉じて高旋回流を形成した場合を比較検討した.得られた結果は以下の通りである.(1)中心開放型スワーラでは中心閉鎖型スワーラに比べ逆火抑制効果が高く,火炎の安定領域も広いことがわかった.中心閉鎖型スワーラを用いた場合に形成される旋回流れ場では,旋回流渦心の逆流領域を伝播する火炎と,火炎伸長による消炎作用,および断続的な正の流速域の形成が相互に作用して,火炎安定化および逆火が生じることを示した.(2)中心開放型スワーラを用いた場合に形成される旋回流れ場では,軸流噴流による逆火抑制効果と,当量比の増加に伴い火炎面がセル状化することで火炎面積が増大し,逆火を誘起することが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
メタンを燃料とする希薄予混合火炎の非定常挙動を解析するために,高細度高速度ビデオカメラを用いて旋回流を伴う円筒管内を伝播する火炎面の形状,火炎先端付近の未燃焼ガスの流動の時系列PIV,火炎面の挙動を同時に計測可能とし,その特性を明らかにすることができたため.
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今後の研究の推進方策 |
高細度高速度ビデオカメラを2台組み合わせて,管内流動の時系列ステレオPIVを可能とし,さらに旋回羽根角度を可変とした燃焼器の構築を行う.次に,この計測光学系を旋回流をともなう希薄予混合火炎の非定常伝播挙動解析に適用する.この測定結果から火炎面の非定常挙動と管内流動との相関性を明らかにする.
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