研究課題/領域番号 |
23360101
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高橋 厚史 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10243924)
|
研究分担者 |
生田 竜也 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術専門職員 (70532331)
西山 貴史 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80363381)
|
キーワード | ナノ熱プローブ / ホットフィルムセンサ / カーボンナノチューブ / DMM |
研究概要 |
長さ10ミクロン幅0.5ミクロン程度の懸架型白金ホットフィルムセンサを基板の端面近傍に製作し、そこにナノワイヤ材料を接合することで熱プローブセンサが出来上がる。ここでは多層カーボンナノチューブをプローブとして、その先端を金、白金、酸化シリコンという三種類のターゲット材料と接触させて、界面熱抵抗の物質依存性を計測した。その際、これまで電子顕微鏡内で行っていた接触実験を改め、光学顕微鏡下で観察可能な実験系を整備した。これは長作動距離の対物レンズとナノマニピュレータを備えた真空チャンバーに新規にクライオを設置した実験系となっており、これによって界面への電子線によるアモルファスカーボンの堆積を防ぐことができる。この改良によって界面の熱輸送計測データの信頼性は大きく向上した。実験結果としては、界面の熱輸送解析でよく用いられているディヒューズミスマッチモデル(DMM)による予測と異なり、物質依存性がほとんど現れないことがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ファンデルワールス力に支配された界面の熱抵抗を正しく計測し、過去の解析モデルの限界を示した意義は大きい。実験装置の立ち上げにも成功し、物質依存性など価値のある成果が生まれている。
|
今後の研究の推進方策 |
実験に関しては計画通りに進めるが、学術的波及効果を高めるために実験結果を裏付ける理論モデルの開発にも力を入れる予定である。
|