研究課題/領域番号 |
23360104
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
原 進 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40329850)
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研究分担者 |
大槻 真嗣 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (50348827)
山田 陽滋 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90166744)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 惑星探査 / 機械力学・制御 / 制御工学 / 航空宇宙工学 / 衝撃 |
研究概要 |
本課題では機械構造物に入力される衝撃にともなう応答を制御する目的で,玉突きの原理とアクティブ制御を融合した,運動量交換型ダンパ機構について研究している.その応用として,次世代惑星探査機の着陸時衝撃応答制御に活用し,リバウンドや転倒の防止を図り,ロバストで高信頼かつ経済的な着陸機構の実現を目指している.本年度交付申請書記載の二点の研究実施内容の内,一点目の「23年度に実施した1次元1軸方向のみの落下衝撃実験に用いたシステムを2次元での実験が可能な2脚実験装置に拡張し,このシステムを対象としたシミュレーションならびに実験的検討を実施」については,23年度までのダンパ質量を上方に飛ばす方式の運動量交換のみならず,別のダンパ質量を下方に落す方式の併用が加速度応答の抑制などに効果的であることを明らかにした上で,これも含めた運動量交換型ダンパ機構の2次元2脚装置への拡張について検討している.ただし,一部の内容をシミュレーションで検討した段階であり,実験的検討については25年度に引き続き実施する.二点目の「振動系を有する対象に衝撃力が入力される際の検討をシミュレーションと実験により実施」については,2台の自走台車から成る水平移動型の実験システム設計製作し,シミュレーションによる検討を実施している.これを対象にした実験的検討についても25年度に実施する.上記の他に,運動量交換型と並行して,ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーを交換しながら同様の衝撃応答制御を達成できるエネルギー交換型についても考案し,シミュレーションと実験による検討を開始して良好な結果を得ている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度交付申請書に記載の二点の研究実施内容に関して,シミュレーションによる検討はおおむね順調に遂行している.ただし,実験的検討については多くが25年度に持ち越されている.一方,新しくエネルギー交換型による検討も開始しており,こちらはシミュレーション,実験の両検討とも順調に進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
探査機上方への運動量交換のみならず,別のダンパ質量を下方に落す方式の実験的検討を実施する.それに引き続き,25年度後半は2脚の実験装置を前提とした2次元での制御問題を実験的にも検討する.一方,振動系を有する対象に衝撃力が入力される際の検討やエネルギー交換型の研究も精力的に進めて行くとともに,最終年度であるので研究の取りまとめを行い,次段階の研究ステップ(砂地等に対する着陸実験や,3次元4脚実験装置を前提とした検討など)への構想を整理する.
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