研究課題
本研究では、環境に適応する機能(可変拘束・可変構造機能)をもつ個体が群れを成し、自らが環境を改造して群れに適した環境へと変化させる機能(環境構造可変機能)をもつ超冗長機械システム群の運動知能および群知能について考える。本研究では、生物を拘束条件を変えることができる可変拘 束機能と、それらが相互に結合・分離するような可変構造機能をもつ超冗長システムとしてとらえる。まず、個体での物理法則にかなったダイナミクス ベースト制御を前提とした運動知能について考察する。さらに、群として環境に適応するだけでなく、自らに適応するように環境を改造する群制御・群 知能について考察し、「ダイナミックスベースト・インテリジェンス」の概念の適用範囲を“個から群れへ”“環境適応から環境改造へ”と拡張することが本研究の目的である。今年度は以下の研究を実施することができた。(1) 可変拘束ハイブリッドシステムのダイナミクスベースト制御:(a) サイナスリフティング滑走・サイドワインディング滑走の数理的解析/1.サイナスリフティング滑走に関する最適化問題の数値的解析/2.サイドワインディング滑走のハイブリッドモデルの構築/3.実機の製作(b) ジャンプタスクに関するダイナミクスベースト制御/1.体幹の柔軟性を考慮した動力学モデルの導出(2) 可変構造群システムのダイナミクスベースト制御・インテリジェンス:/1.任意のモジュール数および結合形態に対応できる歩容生成アルゴリズムの構築/2.歩容の安定性および収束性に関する考察(3) 可変拘束・可変構造群システムのダイナミクスベースト制御・インテリジェンス/1.アリの穴埋め行動の偏微分方程式モデルに基づいた解析
2: おおむね順調に進展している
特に研究計画から大きく遅れることなく、概ね順調に進展しており、成果を論文として発表できている。
(1) 可変拘束ハイブリッドシステム:ヘビのサイドワインディング滑走・サイナスリフティング滑走、ジャンプタスクなどに関するダイナミクスベースト制御系の構築 ⇒ 車輪拘束ヘビ型ロボットの開発 ⇒ 実機実験による検証(2) 可変構造群システム:任意の脚数脚配置に対応できる歩容生成アルゴリズムの構築 ⇒ 3脚モジュラーロボットを用いた検証実験(3) 可変拘束・可変構造群システム:蟻の採餌における最適協調運搬アルゴリズムの構築 ⇒ シミュレーションによる検証(4) 環境構造可変群システム:アリの採餌における架橋行動および分業行動のモデル化 ⇒ 群行動アルゴリズムの構築 ⇒ シミュレーションによる検証に関して予定通り進める。
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計測と制御
巻: Vol. 52, No. 3 ページ: pp. 227-233
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