本年度も前年度に引き続き,ワークとツール間の6自由度相対運動を計測するための6自由度パラレルメカニズム形運動誤差計測装置を構成する1本の連結連鎖を設計試作し,熱的および力学的外乱に対する精度評価を行う.まず,誤差補正システムを内蔵した受動的連結連鎖の計測精度を評価する装置(テストベッド)の室温変動の影響について調査し,旧テストベッドと比較して調査した.室温を8°程度変化させて連結連鎖の精度評価実験を行った結果,従来は0.8μm/K程度あった室温の影響がレーザ干渉計のデッドパスをできるだけ小さくした結果,0.015μm/K(2%)まで減少したことがわかった. 次に従来のリニアスケールユニットの代わりにレーザ干渉測長器を用いた連結連鎖の製作と計測安定性の評価を行った.最初に30°から60°まで姿勢を変化させた影響を調査し±0.08μm以下であることがわかった.また室温変動を8°程度変化させた場合に,17μm程度の計測誤差が生じた.レーザ波長の補正が追従していないためであり今後対策が必要であると思われる. さらに,パラレルメカニズムのキャリブレーション(校正)の研究を行い,ボールプレートおよびダブルボールバーを用いた機構パラメータ同定手法についての数値シミュレーションおよび実験機を用いた校正実験を行った.
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