研究課題/領域番号 |
23360112
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮崎 文夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20133142)
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研究分担者 |
西川 敦 信州大学, 繊維学部, 教授 (20283731)
平井 宏明 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60388147)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ロボティクス / 人間機械システム / リハビリテーション / コーチング |
研究概要 |
【研究目的】本研究では、冗長筋骨格系を有する人およびロボットの運動制御や運動支援を「筋シナジー」の観点から解釈し、筋シナジーの抽出/予測結果をもとに人と機械の融合を考察する。ここでは、筋拮抗比・筋活性度の2つの新概念を導入し、冗長筋群の活動を運動タスク固有の筋シナジーと関連づけることで、①身体の運動制御モデル(中枢において数少ないタスク変数で表現された運動指令が筋シナジーを介して多くの筋群の活動指令に変換されるモデル)を確立するとともに、②マスタの運動意図をリアルタイムに読み取り、スレーブへの運動指令に自動変換を行う人と機械をつなぐ知的情報処理システムの開発を行う。 【研究成果】 融合タイプI「人の運動スキルの筋骨格ロボットへの移植」: 筋シナジーの概念の下、筋骨格構造を有する人とロボットの身体運動制御モデルの構築を行った。特に本年度は、確立した運動制御モデルを介し人の運動スキルを筋骨格ロボットへ移植することを試み、一例としてペダリング動作の実現を行った。 融合タイプII-a「装着型ロボットによる人の運動支援」: シナジー抽出/予測技術をコンパクトなロボット装具へ応用することを試み、以下の小課題に取り組んだ。①抽出した筋シナジーと効果器に発生する力や位置の関係からユーザの筋活動を診断し、個人に適した身体運動の力学的支援を予測する。②人工的に操作できる筋群をロボット装具として外的に付加し、人に内在する既存筋群と合わせて適切な筋シナジーが実現されるように人の運動支援を行う。 融合タイプIII「機能的電気刺激による人の運動支援」: 筋シナジーに基づく複数筋群の協調的電気刺激が多自由度の運動支援に効果的であることを実験的に実証した。特に、巧みさが要求される運動においては、関節剛性の調整が重要な役割を果たしていると考えられ、筋シナジーに基づく剛性制御支援により大きな運動改善が期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、研究を遂行する上で、大きな問題を生じていないため。 今後は、融合タイプII-a、 IIIで得た知見を元に、更にこれらの融合タイプの研究を深化させていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果を生かし、今後も予定通り研究を進めていく。 特に、確立した筋シナジーに基づく身体運動制御モデルに基づき、人の運動支援(融合タイプ II、III) に注力していく予定である。
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