研究課題/領域番号 |
23360113
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大平 文和 香川大学, 大学本部, 理事 (80325315)
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研究分担者 |
生津 資大 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (90347526)
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キーワード | マイクロマシン / マイクロメカトロニクス / マイクロミラー / MEMS / ポリマーデバイス / マイクロファブリケーション |
研究概要 |
1.感光性ポリイミドを用いた電磁駆動型ミラー (1)感光性ポリイミドを用いて、ミラー駆動部のヒンジに必要な厚さ50~100ミクロン程度の構体の作製のための露光・現像条件の把握を行った。露光・現像パラメータとして、露光量、ベーク温度と時間、現像時間等を最適化することにより微細構造体を製作するための条件を決定した。 (2)ローレンツ力の増加に向けて、多層配線を形成することが重要である。このため、ポリイミド両面への配線形成条件を検討した。ポリイミドへの露光条件と配線材料のスパッタ条件を最適化し、反りや配線切れのない貫通配線形成条件を把握した。これによりデバイスの駆動を実現した。 (3)ポリイミドを、配線基板と同時にミラーヒンジとして用いるため、その機械的特性を評価し、微小構造材料としての適合性を確認した。このため、本材料のヤング率、降伏応力、破壊強度などの機械的特性を明らかにした。さらに機械特性の温度依存性のデータも把握し、その適合性を評価した。 2.SU-8と磁性粒子を用いた磁気駆動型ミラー (1)磁性粒子を含有したSU-8への露光・現像条件を把握した。磁性粒子の種類(Fe_2O_3, Fe_3O_4など)や混合度などによる露光、現像条件への影響を評価し、高アスペクト比の形状形成が可能な最適条件を把握した。 (2)電磁石による吸引力を、ミラー部との間隔や働く磁気力をパラメータとして精密に測定した。本データにより、デバイスの寸法、構造の設計を可能とした。またこれに基づき製作したデバイスの駆動を確認した。 (3)磁性粒子を含有したSU-8についての機械的特性を把握した。これまで蓄積した精密評価技術を駆使して、マイクロ構造部材の機械的特性を精密に評価した。これらデータは本研究により初めて明らかにされたものであり、これにより、ヒンジの構造や寸法、さらにミラー構造全体の設計に反映させることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ポリマーを用いたマイクロミラーデバイスの設計、製作が計画以上に進展している。実際の製作プロセスの条件把握が計画以上に進捗した。また、製作したデバイスの機械的特性評価も順調に進展し、詳細なデータ採取が行えている。
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今後の研究の推進方策 |
計画通りに進展していることから、予定を多少繰り上げ、デバイスの機械的評価を一層加速するとともに、その結果を反映させてデバイスとして完成度をあげる。次の段階として、デバイスの駆動特性にっき詳細な解析、評価を行う。特に、ミラーの偏向駆動特性の評価と高精度な駆動制御法につき検討を進める。
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