研究課題/領域番号 |
23360114
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
鈴木 孝明 香川大学, 工学部, 准教授 (10378797)
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研究分担者 |
寺尾 京平 香川大学, 工学部, 助教 (80467448)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / フォトリソグラフィ / 染色体解析 / 細胞操作 |
研究概要 |
本研究では、細胞から取り出した染色体そのままの分子配向と形状を簡易に観察することを目的として、特殊な微細加工を施した樹脂製ディスポーサブルマイクロチップ上で、遠心力により、細胞の固定から、染色体の抽出、伸張、懸架、解析する方法を開発、病理細胞を用いた評価実験を行う。提案技術によって、非常に簡単な操作で、取り出した染色体そのままを従来にない高分解能で高速観察できるため、ゲノム構造に起因する遺伝子多型、エピジェネティック制御などの基礎的研究から、遺伝性疾患などの臨床診断にまで幅広く利用できる可能性があり、操作者の負担軽減、診断時の患者の待機負担の軽減(POCT)、テーラーメイド医療につながる技術となる。 本年度は、初年度中に個別に作製していた細胞固定構造と染色体伸張構造を集積した統合デバイスを一括露光により基板上にウエハサイズ(直径100mm程度)で作製した。また、加工技術の加工精度限界を検討するため、サブミクロンオーダーでのメッシュ直径の制御性について微細構造の試作を行い、可能であることを確認した。すべての操作をオンチップで行う細胞固定から染色体伸張までを集積した統合デバイスについては、ステップ毎の妥当性を確認しながら順に集積化を行った。今後、必要に応じて、協力異分野研究室でのフィールド実験による操作性評価を行うことを検討しており、そのための可搬型装置の設計を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究課題の研究項目は大きく3つに分かれており、①作製技術の構築、②細胞固定効率の評価、③懸架染色体解析の定量評価からなる。初年度~第2年度に予定していた、②の全項目、①中の統合デバイスの加工までと、③中の統合デバイスの伸張評価までは、予定通り実験を終えている。特に、統合デバイスの伸張評価は、最終年度にまたがって実施する計画であったが、①の統合デバイス構造作製が予定よりも早く進められたことより、第2年度中に終えることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、高次構造を有する染色体をマイクロデバイス上で伸張懸架する、顕微鏡観察のためのプレパレーション技術の構築が目的であり、①細胞懸濁液の播種、②細胞の固定、③染色体の取り出し、④染色体の伸張固定、⑤染色体の可視化までを一つのチップ上で実施可能なマイクロデバイスを提案する。 研究期間内では、1)マイクロデバイスの作製技術の高度化(露光光源波長による加工構造の変化)、2)遠心力を用いた細胞の固定技術の定量評価、3)染色体伸張固定技術の定量評価を行い、さらに、最終的なデバイスについては、複数の病理モデル細胞株を用いてFISH(Fluorescent In Situ Hybridization)解析を行い、デバイスの実用性について検証を行う。 今後は、これまでに試作した細胞固定構造と染色体伸張構造を集積した統合デバイスについて、複数種の病理モデル細胞を用いて、染色体診断技術としての妥当性を統合的に評価する。最終的なデバイスとしては、各細胞からの染色体伸張を個別評価できるデバイスと、染色体伸張効率と構造微細性を定量的に検証するデバイスの2種を作製、評価する。特に、必要に応じて、協力異分野研究室でのフィールド実験による操作性評価を行うことを予定している。
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