研究課題/領域番号 |
23360115
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
倉爪 亮 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (70272672)
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研究分担者 |
長谷川 勉 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (00243890)
諸岡 健一 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 准教授 (80323806)
岩下 友美 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (70467877)
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キーワード | ロボティクス / 環境モデリング / 3次元計測 / レーザ計測 / 群ロボット / 環境情報構造化 |
研究概要 |
車いすロボットや清掃ロボットなど我々の日常生活を支援するロボットが生活環境内を安全に移動するには、通路や歩道の正確な位置や幅、走行の妨げとなる僅かな段差や路上に置かれた障害物,信号の周期的な変化,歩行者や自転車などの移動障害物など,時々刻々変化する環境を時空間的に正確に記録した多次元環境地図が必須である.本研究では,申請者がこれまでに開発した群ロボットによる大規模文化遺産のレーザ計測技術を屋外型移動ロボットのための精緻な環境地図の作成に利用することを試み,完全に自動化されたロボットによるロボットのための多次元環境地図構築システムを開発するとともに,広域な屋外市街地の詳細な多次元環境地図データを世界に先駆けて公開することを目的とする.本研究の研究課題としては,(1)協調的自己位置同定手法の自動化,(2)3次元計測システムの高精度化,(3)広範囲を走行するための台車の開発,(4)観測計画の自動立案と誘導,(5)環境の時間変化を含む多次元環境地図の構築法の5つが挙げられる.平成23年度は協調的自己位置同定手法の自動化のための赤外線ビーコンや,測量用トータルステーションのオートレベル機構,市販の電動車いすを改造した高速かつ長時間走行の可能な台車などを開発した.オートレベル機構や赤外線ビーコンを搭載した移動ロボットによる計測実験の結果,ロボットの位置同定精度が従来の0.3%程度から0.03~0.05%へ大幅に向上したことが確認された.また屋内廊下環境やトンネルやビル街などの屋外環境で3次元環境地図の作成実験を行い,開発システムにより従来型の設置式3次元レーザスキャナと同程度の3次元形状の計測精度が実現できることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載の研究の目的のうち,平成23年度で達成予定の5項目(1)協調的自己位置同定手法の自動化,(2)3次元計測システムの高精度化,(3)広範囲を走行するための台車の開発,(4)観測計画の自動立案と誘導,(5)環境の時間変化を含む多次元環境地図の構築法に対し,(1)~(3)については概ね計画通りの進展が見られた.また(4),(5)も未発表ではあるものの,基礎的な成果は得られており,平成24年度には更なる進展を目指す予定である.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,(3)広範囲を走行するための台車の開発,(4)観測計画の自動立案と誘導,(5)環境の時間変化を含む多次元環境地図の構築法を中心的に検討し,レーザやカメラを搭載した自律型ロボットの開発や,Google Mapを用いた計測計画の自動立案手法,タウンマネジメントシステムとの統合,時間変化を考慮した多次元地図の構築法などについて,引き続き検討を進める予定である.
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