研究課題/領域番号 |
23360123
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
高島 和則 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60303707)
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研究分担者 |
水野 彰 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20144199)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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キーワード | ディーゼルエンジン / 排ガス / 沿面放電 / 炭化水素 / 粒子化 |
研究概要 |
ディーゼルエンジン排ガス中に含まれる窒素酸化物の除去のためにはアンモニアを還元剤として用いる触媒的還元法(NH3-SCR法)が用いられている。しかしながら熱効率が改善された最新のディーゼルエンジンでは低負荷時の排ガス温度が低く、触媒が活性化されないことがある。本研究では低温領域で有効な自動車排ガス浄化手法を見出すことを目的とし、放電プラズマと触媒とを併用する手法に関する実験的研究を行った。 ガス中に含まれる水分によってスライド放電の安定性が影響を受けることを確認したため、より水分の影響を受けにくい放電発生方法として、ハニカムを模擬したセラミック細管内にコイル状の細線電極を配置することによって沿面放電を発生させる方法を考案し、ガス湿度に対する放電の安定性を調べた。その結果、乾燥空気に対しては強度が高く、安定な沿面放電が発生することを確認した。湿潤空気に対しては同一印加電圧では発光強度が低下したが、実用上ほぼ問題のない安定性の沿面放電を発生させることができた。湿潤状態ではスパーク放電の発生のため、乾燥状態と比較して若干消費電力が高くなる印加電圧領域が見られたが、著しい差異はなかった。 低温(低負荷)領域では未燃の燃料に起因する炭化水素が排ガス中に含まれる。本研究では放電プラズマにより炭化水素を粒子化することによってガス中から除去する手法の可能性を検討した。その結果、ディーゼル排ガスをパルス放電に曝露することによって炭化水素濃度が減少することおよび微粒子が大経化するとともに個数が増加することを確認した。これからプラズマによって炭化水素が粒子化したことが示唆される。また、これらの微粒子は電気集塵によって99%以上の高い効率で除去することも確認した。 また、触媒表面上における化学反応の同定のための測定系を構築を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実績欄に記載の通り、全ての課題について概ね順調に進捗しているほか、一部の課題に関しては当初の計画には無い方向へ展開し、新しい知見が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
ハニカム触媒と併用可能な放電プラズマ発生法の検討および触媒表面上での化学反応同定に向けた測定装置の開発をこれまでに引き続き進めるとともに、来年度は最終年度にあたるため、3年間の研究期間で得られた知見を総合して、低温度領域で動作可能な自動車排ガス中の窒素酸化物・炭化水素等の有害物質処理法の原理的な検証を行う。
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