研究課題
本年度、Feナノ粒子表面への化学吸着力の弱い界面活性剤として、トリベンジルアミン、および、トリオクチルアミンに着目し、それらを混合した界面活性剤を用いて生成されたFeナノ粒子の組織と磁気特性との相関について調べた。混合界面活性剤を適用した結果、粒子形状が多角形化し、かつ、粒径が小さく粒度分布が狭くなる傾向が得られた。粒子形状の多角形化は、α-Fe相の生成が促進されたことに起因するものと考えられる。混合界面活性剤を用いて合成されたFeナノ粒子は、5Kの飽和磁化が176~214emu/gとバルク値に匹敵する程高いものの、保磁力は48~606Oeと大きい。Henkelプロットを用いた解析から、大きな保磁力の発現は、Feナノ粒子間で働く磁気双極子相互作用によるものと考えられる。磁性ナノ粒子集合体は粒子間の磁気双極子相互作用が非常に強い場合には超強磁性秩序を発現するものと考えられているが、その粒子磁気モーメント配列の詳細には不明な点が多い。本研究では、超強磁性的挙動を示すFeナノ粒子集合体を磁気力顕微鏡 (MFM)観察とモンテカルロシミュレーションにより調べた。シミュレーションから粒子配置に関わらず零磁場では粒子磁気モーメントの方向が揃った1次元的領域が形成され、隣接する領域は反強磁性的配置を取ると予測された。MFM観察はその予測と矛盾しないものであった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Applied Physics
巻: 115 ページ: 17A512-1-17A512-3
10.1063/1.4863940