研究課題/領域番号 |
23360150
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
河合 晃 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (00251851)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 微細加工 / レジストパターン / ラインエッジラフネス / 集積回路 / 感光性樹脂 / 原子間力顕微鏡 / マニピュレーション / インデンテーション |
研究概要 |
近年、フォトレジスト材料に代表されるように、ナノスケールでの高分子パターン形状の制御技術の重要性が増している。フォトレジスト材料は、化学増幅型としてのスチレン系、および汎用型のノボラック系樹脂をベースポリマーとして、超LSIやディスプレイデバイス等のリソグラフィーのエッチング用加工材料として実用化されていている。また、現在、国内外において、15nmサイズのレジストパターンの実用化が必須課題となり、その研究開発が盛んである。本研究では、微小粒子モデルとして仮定した集合体間の相互作用に注目し、それぞれ微小球サイズの幾何平均で表わせることを検討した。微小球の凝集性を基本としながら、ナノスケールのパターン形成の凝集設計を進めてきた。本研究期間には、以下のような実績が得られている。 高分子集合体の凝集構造の中央にAFM探針を接触させて押し込みながら、探針に作用する力を検出した。多くの場合、表面硬化層が確認できるが、樹脂の凝集状態によっては表面軟化層の形成を示唆する結果も得られた。これはレジスト膜の熱処理時の熱輻射により、表面層の熱履歴に差が生じ軟化点(約150℃)に達したためであると考えられる。微細探針をレジスト膜表面にインデントし機械的振動を加えた場合、高分子集合体との摩擦に起因する粘弾性挙動が確認できた。この手法によりポリマー内の粘弾性挙動を明確にできるため、LERの発現機構の解明や、微細レジストパターン全体としての強度設計に有効に役立つと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画にほぼ沿って、研究が進んでいる。レジストパターン側面のLER計測技術も制度が向上し、15ナノメータ程度の解析が可能になってきている。微細探針の押込み技術(インデント)も解析精度が向上し、粘弾性等の重要な凝集情報が得られるようになった。
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今後の研究の推進方策 |
得られた知見をもとに、レジストパターンの材料設計を進めていく。特に、15ナノメータのLER低減を見据えたパターン内凝集構造の設計指針を明確にしていく。
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